1週間でLPICの基礎が学べる本のレビューをまとめました。
- そもそもLPICとは
- 本の公式サイト
- 実際に本書を読んでみた感想
- LinuCレベル1の取得に役立った
- LinuCレベル1はLinuxサーバーの運用保守に関する資格
- LPIC/LinuCの概要
- 1日目の内容
- 2日目の内容
- 3日目の内容
- 4日目の内容
- 5日目の内容
- 6日目の内容
- 7日目の内容
- LinuCの概要
- 実際にLinuxを使ってみるのがおすすめ
- 企業で一般的に使われるOSはRed Hat Enterprise Linux
- Red Hat Enterprise Linuxも個人で無償で使える
- LPIC・LinuCは実務で使うLinuxに関連する内容だが、Red Hat Enterprise Linuxの資格はRed Hat Enterprise Linuxを使えることを証明する資格
- まとめ
そもそもLPICとは

LPICは「Linux Professional Institute Certification」の略で、エルピックと読みます。
LPICはLinuxに関する資格

LPICはLinuxのサーバーに関する資格です。レベル1から3まであり、それぞれ、サーバーの運用保守・設計構築など、技術力に応じて高いレベルの資格となります。
本の公式サイト
以下がインプレス社に記載のある本件で紹介している本の概要です。1週間でLPICについての学習を進めることを前提として著書されています。
実際には、1週間以上かかる人、1週間かからない人と読者の技術的理解度によって本書を読み進める進度には差があると思いますが、おおむね1週間でLPICで出題される技術の内容に関する理解が深まります。

実際に本書を読んでみた感想
実際に本書を手に取って購入して読んでみた感想としては、1週間かけて確かにLPICに関する理解を深めることができます。
この本を読んで、他にping-tなどの試験対策を行ったうえで実際にLPICではなくLinuCを取得した感想としては、LinuxとLinuxに関連する技術に対する理解がある程度深まった、という感じです。
LinuCレベル1の取得に役立った
本書は、LPICの対策本といったタイトルになっていますが、LinuCレベル1の取得に役立ちました。

LPICとLinuCの違いは、LinuCがLPICより日本市場向けに最適化されている、という特徴があるということです。実際にはLinuCのほうがテストの実施と管理している団体が日本の組織なので資格の管理がしっかりしているという程度の違いにすぎず、実際に問われる技術的内容に関しては違いがないものと認識して問題ありません。
LinuCレベル1はLinuxサーバーの運用保守に関する資格
LinuCレベル1はLinuxサーバーの運用と保守に関する資格です。Linuxの基本的な操作方法などを理解していることを証明できます。
LPIC/LinuCの概要
LPIC/LinuCは、Linuxに関連する技術を証明する資格です。Linuxっぽい名前の資格ですがなにもLinuxだけの内容を問う資格ではなく、Linuxに関連する業務を扱う環境で使われる技術全般を問う資格です。
LPICとLinuCの違いは、LPICが全世界共通資格、LinuCが日本市場最適化資格、という違いがあります。LinuC設立の経緯はLPICが日本市場向けに最適なコンテンツを提供していないことに由来しているとのことです。
前述の通り、試験の内容自体はLPIC/LinuCで大きな差はありません。
1日目の内容
1日目は以下の内容に触れています。
- Linuxのカーネルとディストリビューション
- オープンソースに関する詳細な概要
- Linuxをパソコンで使う方法
Linuxのカーネルとは
Linuxは実際にはOSの名前ではなく、カーネルにつけられた名前です。LinuxというOSの中にあるカーネルの名前がLinuxということです。
ただし、LinuxはOSに対してもLinuxと呼ぶので、OSとしてLinuxの名称を使うときは「Linux OS」と呼びます。
Linuxのディストリビューションとは
ひとことでLinuxといっても、Red Hat Enterprise Linux、Ubuntuなど様々なLinuxがあります。Linuxのディストリビューションは、Linuxカーネルに対してライブラリやツール、インストーラを組み込んで一つの製品としているLinuxのことです。
前述のRed Hat Enterprise Linux、Ubuntuなどはディストリビューションの一つです。
ディストリビューションとは
このように、カーネルだけではユーザはOSを利用することが困難です。そこで一般的なOSの形にするために様々なソフトウェアと組み合わせる必要があります。しかし、1から構成を自分で構築するのは時間と労力、そしてある程度の知識が必要になります。
そこで、LinuxカーネルとOSを構成するその他のソフトウェアを組み合わせる煩雑さをユーザから解放するために、最初からそれらを組み合わせた形で配布するという形が生まれます。これがディストリビューションです。つまり、ディストリビューションとはカーネルとそれをとりまくソフトウェアセットということになります。通常Linuxといった場合、このディストリビューションを指していることがほとんどです。
オープンソースとは
ソフトウェアの中には、ソフトウェアのソースコードが公開されていて自由に開発に参加することができるものがあります。こういったソースコードが公開されているスタイルをオープンソースといいます。
Linuxをパソコンで使うには
Linuxをパソコンで使うにはVirtual BoxかVMware workstationを使いましょう。
本書ではVirtual Boxでの使い方が紹介されています。
2日目の内容
2日目は以下の内容です。
- Linuxの操作
- Linuxで使われるファイルとディレクトリ(WindowsでいうフォルダのことをLinuxではディレクトリと呼ぶ)
コマンドでのLinuxの操作について触れ、その他に相対パスや絶対パスなどの説明がされています。
Linuxの操作方法
Linuxのファイルとディレクトリ
3日目の内容
3日目は以下の内容です。
- ファイルの管理
- ユーザーとグループ
3日目は、ファイルの作成、移動、削除等の基本的な操作に加えて、ユーザーの作成と削除、ユーザーをユーザーグループに所属させる方法等がまとめられています。
Linuxのファイル管理
Linuxのユーザーとグループ
4日目の内容
4日目は以下の内容に触れています。
- ファイル・ディレクトリのパーミッション
- テキストファイルの編集方法
Linuxのファイル・ディレクトリのパーミッション
ファイル・ディレクトリのパーミッションは権限のことで、わかりやすくいうと、各ユーザーごとに種類があり、どの種類のユーザーがどのファイル、ディレクトリにどこまでアクセスすることができるのかを制御しているかについての概要をパーミッションと呼んでいます。
Linuxのテキストファイルの編集方法
5日目の内容
5日目はシェルに関する内容を学びます。
- シェル
- シェルスクリプト
シェルスクリプトはコマンドを一つにまとめているファイルです。シェルスクリプトを実行させることで意図した作業を自動で行う、という想定のものファイルが使用されます。
6日目の内容
6日目は以下の内容を学びます。
- find/grepコマンド等でのファイルの検索
- rpmパッケージの概要
- ファイルシステムについての概要
7日目の内容
7日目は以下の内容を学びます。
- プロセスとジョブ(psコマンドでのプロセスの確認、killコマンドでのプロセスの停止など)
- ネットワークの利用(/etc/hosts、/etc/hostnameなどの概要)
- システムの管理(var/log/messagesを確認してログを見る、whoコマンドを使ってログインユーザーを確認する)
LinuCの概要
実際にLinuxを使ってみるのがおすすめ
本の1日目にも記載がありますが、実際にLinuxの操作をしてみるのは重要です。当サイトでも以下の記事でLinuxを実際に使う方法をまとめています。
企業で一般的に使われるOSはRed Hat Enterprise Linux
一般的にサーバーの構築・運用というと、RHEL(レル)と呼ばれるディストリビューションが使用されます。Red Hat Enterprise Linuxの頭文字で、Red Hat社が提供しています。
Red Hat Enterprise Linuxも個人で無償で使える
RHELもCentOS同様個人で無償で使うことが可能です。
LPIC・LinuCは実務で使うLinuxに関連する内容だが、Red Hat Enterprise Linuxの資格はRed Hat Enterprise Linuxを使えることを証明する資格
