ChatGPTの有料プラン(Plus、Pro、Team、Enterprise)では、画面上部のモデルセレクタから複数モデルを選択できます。用途や求める性能に応じて最適なモデルを選び、以下のような違いがあります。
o3
OpenAI o3は最先端の「推論(Reasoning)モデル」です。プログラミング、数学、科学、視覚認識など幅広いタスクで高い性能を発揮し、ベンチマークでも最先端(SOTA)を記録しています。特に画像・グラフ・チャート解析といったビジュアルタスクに強く、複数分野の情報を組み合わせて深い分析や仮説構築が必要なケースで優れた結果を得られます。外部専門家による評価では、前モデルのo1と比べ「大きな誤りを約20%削減」していると報告されています。
o4-mini
OpenAI o4-miniは、o3の性能をある程度踏襲しつつ軽量化・高速化されたモデルです。コスト効率に優れ、特に数学・コーディング・ビジュアルタスクで顕著な性能を示します。AIME 2024・2025ベンチマークで最高スコアを記録し、前モデル(o3-mini)を凌駕する成果を出しています。利用量が多いHigh-Throughput用途向けに推奨されます。
GPT-4.5
GPT-4.5は研究プレビュー版として公開された、現時点で最も大規模かつチャット用途に最適化されたモデルです。従来のGPT-4oと比較して、事前学習と事後学習のスケーリングが進み、パターン認識・知識結びつけ・創造的インサイトの生成が強化されています。特に自然な対話感覚や感情知能(EQ)の向上によって、文章の改善やプログラミング支援、実務課題の解決がよりスムーズになり、誤情報(幻覚)も低減されることが期待されています。なお、まだ研究プレビュー段階のため、試験的に利用できる形です。
o1 & o1-mini
OpenAI o1およびo1-miniは、複雑な「問題解決タスク向け」の推論モデルシリーズです。研究開発・戦略立案・コーディング・数学・科学分野での高度なタスク処理に適しています。 ただし、以下の高度機能(メモリ、カスタム指示、GPTストア、音声など)には対応しておらず、それらが必要な場合はGPT-4oを推奨します。
- Memory(対話履歴を保持する機能)
- Custom instructions(カスタム指示の保存)
- Discovering and using GPTs(他のカスタムGPTを検索・利用)
- Voice(音声入出力機能)
ファイルアップロードについては、o1-miniを除くo1シリーズでサポートされていますが、o1-proのみ画像アップロードに対応しています。
GPT-4o
GPT-4o(Omniの略)は、音声・画像・テキストをリアルタイムで横断的に処理できるフラッグシップモデルです。ChatGPT Free、Plus、Pro、Team、Enterpriseすべてのプランで利用可能で、APIでもテキスト+ビジョン対応モデルとして提供されています。特に視覚認識機能が強化されており、共有した画像をより正確に理解できます。
GPT-4.1
GPT-4.1は「コーディングタスクに特化」したモデルで、GPT-4oと比較してさらに厳密な命令追従やWeb開発のサポートに優れています。OpenAI o3やo4-miniの代替としても推奨され、Plus/Pro/Teamユーザーはモデルピッカーの「More models」から選択可能です(Enterprise/Eduユーザーは順次提供予定)。利用制限は有料プランのGPT-4oと同等です。
GPT-4.1 mini
GPT-4.1 miniは、GPT-4.1の軽量版として高速かつ効率的に動作します。指示追従力やコーディング能力、総合的な知能面で優れており、有料プランの「More models」から選択できます。また、FreeプランのGPT-4o利用上限に達した場合のフォールバックモデルとしても機能します。
まとめ
ChatGPTのモデルセレクタを使いこなすことで、以下のようなメリットがあります。
- 高性能推論が必要な複雑タスク: o3やo4-miniを選ぶと、科学・数学・プログラミング・画像解析などに強い。
- コスト効率とスループット重視: o4-miniは軽量ながら高いベンチマーク性能を誇り、大量リクエストに向いている。
- 最先端かつ多用途な機能: GPT-4oはマルチモーダル対応・音声認識にも対応し、Free/有料プランともに利用できる。
- コーディング特化: GPT-4.1/GPT-4.1 miniは、Web開発やプログラミング支援に最適化。
- 最新研究プレビュー: GPT-4.5は現状最も自然な対話・創造的インサイト生成が可能な研究プレビュー段階モデル。
それぞれのモデルには利用可能プランや対応機能(メモリ、ファイルアップロード、音声など)に違いがあるため、用途や課題に応じて最適なモデルを選択しましょう。 公式リリースノートなどで最新情報を都度チェックすることもおすすめです。