LinuCレベル1 101試験の出題範囲「1.05.1 ハードウェアの基礎知識と設定」の技術的内容の解説をまとめて紹介します。
重要度 3 概要 基本的なシステムハードウェアの理解および構成や情報の取得ができる。 詳細 組み込まれている周辺機器の有効/無効を切り替える。
・modprobe, insmod, rmmod, lsmod
さまざまな大容量記憶装置の相違点を理解している。
HDD, SSD, 光学ストレージさまざまなハードウェア情報を取得できる。
・lsusb, lspci, /sys/, /proc/, /dev/
USBデバイスを操作するツール
・lsusb
sysfs、udev、dbusについて概念的に理解する。

カーネルモジュールの概要
LinuCの出題範囲として紹介されている「modprobe」コマンドは、カーネルのモジュールに関するコマンドです。ではそもそもカーネルモジュールとはなんなのかについては、以下のLinuC公式サイトの記事に記載されている説明になります。
カーネルのモジュールとは、簡単に言えば「メインとなるカーネルのプログラムに組み込んで使用する、小さなパーツのようなプログラム」といえます。すなわち、モジュールだけでは何もできません。カーネルに「取り付けて」利用するというイメージです。
(中略)
ここで「モジュール」を利用すると、必要なデバイスや機能だけを選択して組み込むことができますので、カーネルのサイズをコンパクトにできます。また、新しいデバイスや機能がリリースされても、カーネルをコンパイルし直す手間がありません。

コマンド「modprobe, insmod, rmmod, lsmod」の概要
出題範囲に指定されている「modprobe, insmod, rmmod, lsmod」コマンドの概要を解説します。
modprobeコマンドの概要
modprobeはカーネルのモジュールを管理するコマンドです。LinuC公式サイトのコラムでは以下のように紹介されています。
モジュールを管理するコマンドとして「modprobeコマンド」があります。このコマンドは、モジュールをロード(取り付け)することができるコマンドです。モジュールには依存関係が存在するものがありますが、modprobeコマンドはこの依存関係をチェックしながらモジュールをロードするので、モジュールをロードする場合にはmodprobeコマンドを利用するのが良いでしょう。

insmod, rmmod, lsmodコマンドの概要
LinuCレベル1 101試験の出題範囲「insmod, rmmod, lsmod」コマンドの説明は以下です。
・insmod
依存関係を考慮せずに、指定したカーネルモジュールのみを「ロード」するコマンド。
・rmmod
依存関係を考慮せずに、指定したカーネルモジュールのみを「アンロード」するコマンド。
・lsmod
ロードされているカーネルモジュールに関する情報を表示するコマンド。
モジュールをアンロードするコマンド
以下のコマンドは、指定したモジュールを単体でアンロードすることができます。
- rmmod
- modprobe -r
- modprobe –remove
「/proc」ディレクトリの概要
「/proc」ディレクトリは、プロセス、ハードウェア、システムリソースなどの情報を扱うための擬似的なファイルシステムについてのディレクトリです。/proc配下は実際にはハードディスク上にファイルが存在せず、システムが起動する際にメモリ上に作成されるものになります。
どういうことかというと、/procディレクトリ配下には通常シャットダウンされている状態でファイルはなにも存在していません。Linux起動時に、各種OSの挙動に関する情報を一時的にデータを保存しておくディレクトリになります。
LinuCの出題範囲に指定されている、/procディレクトリ配下の覚えておきたいファイルは以下です。
ファイル名 | 説明 |
interrupts | IRQに関する情報 |
ioports | I/Oアドレス(パソコンの回路や周辺機器などをCPUが識別するための番号)に関する情報 |
meninfo | メモリに関する情報 |
cpuinfo | CPUに関する情報 |
modules | ロードされているカーネルモジュールに関する情報 |
lsusb, lspci,lsusbコマンドの概要
LinuCレベル1 101試験の出題範囲である、「lsusb, lspci,lsusb」コマンドの概要を以下にまとめました。
・lspci
PCIデバイスに関する情報を表示します。
・lsmod
ロードされているカーネルモジュールに関する情報を表示します。
・lsusb
USBデバイスに関する情報を表示します。