LinuCレベル3 300試験についての概要と勉強方法をまとめました。
LinuCレベル3 300試験とは
LinuCレベル3 300試験は、LPI-Japanが実施している、Linuxに関する民間資格試験です。
LinuCレベル2認定を受けている状態で本試験に合格するとLinuCレベル3認定を受けることができます。
LinuCレベル3 300 Mixed Environmentでは、以下のような、Linuxを使ってエンタープライズレベルの大規模システム構築やコンサルティングができる、最高技術レベルのLinuxプロフェッショナルの能力を確認できます。
- Linux、Windows、UNIXの混在環境でのシステムインテグレーションやトラブルシューティングができる。
- 冗長構成でLDAP、OpenLDAP、Sambaを使ったシステムや認証サーバーを構築できる。
LinuCレベル3 300 Mixed Environmentに認定された方は、上記項目のような、Linux、Windows、Unixなどによる混在環境のシステム設計や構築ができ、複数のシステムを認証統合できるエンジニアとして評価されます。
LinuCレベル3認定を受ける
300試験に合格してLinuCレベル3認定を受けるには、以下の認定を受けている必要があります。
- LinuCレベル1認定
- LinuCレベル2認定
LinuCレベル3 300試験の受験料
LinuCレベル3 300試験の受験料は2025年1月時点では15,000円(税抜)です。
ただし、LinuCレベル3認定を受けるには、LinuCレベル1認定、LinuCレベル2認定を受ける必要があります。
LinuCレベル1の認定を受けるには101試験、102試験に合格する必要があり、各1試験あたり15,000円(税抜)が必要です。
LinuCレベル1 101と102試験受験料・・・15,000円(税抜) × 2 = 30,000円(税抜)
LinuCレベル2認定についてもLinuCレベル1認定同様に201と202試験の2試験を受けて合格する必要があります。
LinuCレベル2 201 と 202試験受験料・・・15,000円(税抜) × 2 = 30,000円(税抜)
資格の有効期限と更新
LinuCレベル3認定の有効期限は合格した日から起算して5年間です。
資格の有効期限内に再度LinuCレベル3 300試験に合格することで資格の有効期限を更新出来ます。
LinuCレベル1、2認定も同時に更新される
LinuCレベル1、2認定どちらも取得している状態で、LinuCレベル3 300試験に合格すると、LinuCレベル1、2のどちらの認定も有効期限が更新されます。
もし、LinuCレベル3認定の更新を忘れてしまうとLinuCレベル1認定から取得し直すことになるので、できる限りLinuCレベル3認定資格は失効する前に更新しておくのがおすすめです。
LinuCレベル3 300試験内容
LinuCレベル3 300は以下の範囲が出題されます。
主題390:OpenLDAP の設定
- 390.1OpenLDAPのレプリケーション
- 390.2ディレクトリの保護
- 390.3OpenLDAPサーバのパフォーマンスチューニング
主題391:OpenLDAPの認証バックエンドとしての利用
- 391.1PAMおよびNSSとLDAPの統合
- 391.2アクティブディレクトリおよびKerberosとLDAPの統合
主題392:Sambaの基礎
- 392.1Sambaの概念とアーキテクチャ
- 392.2Sambaを設定する
- 392.3Sambaの保守
- 392.4Sambaのトラブルシューティング
- 392.5国際化
主題393:Sambaの共有の設定
- 393.1ファイルサービス
- 393.2Linuxファイルシステムと共有/サービスのパーミッション
- 393.3プリントサービス
主題394:Sambaのユーザとグループの管理
- 394.1ユーザアカウントとグループアカウントの管理
- 394.2認証と許可およびWinbind
主題395:Sambaのドメイン統合
- 395.1SambaのPDCとBDC
- 395.2Samba4のAD互換ドメインコントローラ
- 395.3Sambaをドメインメンバーサーバとして設定する
主題396:Sambaのネームサービス
- 396.1NetBIOSとWINS
- 396.2アクティブディレクトリの名前解決
主題397:LinuxおよびWindowsクライアントの操作
- 397.1CIFS連携
- 397.2Windowsクライアントの操作
Linuxの構築現場ではWindows Serverが混同している環境である場合がほとんどです。LinuCレベル3 300はLinuxだけでなく、Windows Serverとネットワーク等で接続することに特化した試験内容になっています。
筆者はLinuCレベル3 300試験に合格していますが、LinuCレベル2 201, 202試験の202試験の内容が多く含まれる上に、難易度もLinuCレベル2を初学した際と比べてそれほど高くはありませんでした。LinuCレベル2 認定をすでに取得していて、資格の更新期限が近い場合はLinuCレベル2 201試験、202試験の2試験を受けるよりもLinuCレベル3 300試験に合格することを考えた方がスキルアップとしても、資格勉強の工数や費用がそれほどかからないという観点でもおすすめです。
LinuCレベル3 300試験に合格するには
LPI-JapanのLinuCレベル3 300の認定教材を使用して学習しましょう。
以下URLで紹介されているLinuCレベル3認定教材の詳細をまとめました。
ping-t
パソコンやスマホからアクセスして1問1答形式でLinuCの学習が可能なサービスです。
LinuC公式サイトに記載の例題
LinuC公式サイトに掲載されている例題を確認することでLPICとの違いにも対応しやすくなります。例題の問題と回答を暗記するだけではなく、解説をしっかり確認し、解説に記載されているURLについても目を通しておきましょう。
実際にLinux、Windows Server混在環境での構築作業を行う
テキストでの学習と併せて、実際にWindows ServerとLinuxの混同環境を構築してみることを強く推奨します。
LinuCレベル3 300試験に合格したら
LinuCレベル3 300試験に合格すると、Windows ServerとLinuxの混在環境での構築作業が可能であることを証明することができます。
LinuCレベル3認定には300の他に303, 304とありますが300とは専門となる分野が異なります。可能であれば303, 304も受験しておくのがおすすめです。参考までに筆者は303, 304にも合格しています。
LinuCレベル3 303, 304にも合格していると、ネットワークスペシャリストや応用情報技術者試験で出題される内容をカバーできるので、IT系の国家資格もついで感覚で取得しておくと業務の幅が広がります。(国が発注する案件を受ける場合にネットワークスペシャリストなどの国家資格が必要な場合があるため)
Windows Serverの構築に関する資格である、AZ-900、AZ-104、AZ-800/801の受験もおすすめです。
まとめ
LinuCレベル3 300の試験概要と合格方法をまとめました。LinuCレベル2認定を受けていて、資格の失効期限がしまっている際や、さらなるスキルアップのために受験するのがおすすめの試験です。