エンジニアとして就職・転職することに関する情報をまとめました。
就職するときに考えること
エンジニアとして就職するときに考えることを紹介します。
成果物・ポートフォリオの用意
エンジニアとしての経験がない場合は成果物・ポートフォリオの提出を求められることがあります。
デザイナーなどの想像力を要する業種でもポートフォリオを求められることがあります。
資格の取得
資格を持っていることで、問題なく業務が遂行可能な人材であることをアピールします。
職務経歴書の作成
新卒であれば必要ないというよりも書くことができないので不要ですが、エンジニア以外の職種で働いていて新たにエンジニア転職する場合などは職務経歴書が必要です。
日本のIT業界の構造の問題点
日本のIT企業の多くは多重下請け構造によって技術者ではない人たちに多額の報酬が支払われる構造になっています。例え優秀なエンジニアであっても日本ではエンジニアが多くの報酬を得ることはできない構造になっています。
元請け企業、ITサービスを展開している企業へ就職するのがおすすめ
2次受け3次受け企業へ就職すると、もともと受けることのできる報酬が相当な金額中抜きされ、納税した後の金額しか報酬を得られません。例えば、本来一人当たり100万円の報酬が得られる案件があったとしても、その間には特に仕事をするわけでもないのに中間の企業にほとんどの金額が支払われ、実際に稼働するエンジニアには20万~30万円ほどしか支払われません。
まっとうな報酬を得るためにも、エンジニアが正当な評価を受けるためにも、極力元請け企業への就職がおすすめです。
転職エージェントも基本は中抜きのために活動している
転職エージェントも求職者にとっては聞こえのいいことを語りますが、基本的にはエンジニアの高い年収を中抜くために活動をしているといっても過言ではありません。
一次受け、自社サービスを展開していない2次受け以下企業へ就職するケース
基本的には2次受け以下の企業への就職は「どんな理由があっても」お勧めできません。業界や国によっては2次受け、3次受けを法律で禁止しています。IT業界においても、2次受け3次受けにするメリットは中抜きして楽をして大きな金額を得たい人たちを作れること以外に何一つないからです。どんな理由があったとしても2次受け3次受けの企業で働くメリットはありません。
経験が浅いから2次受け3次受けの会社へ就職する???
経験が浅いから、という理由で2次受け3次受けに就職するケースがありますが、退職を前提として会社に所属するのは理にかなっているとはとてもいいがたいです。ですが、残念ながら現状の日本のIT業界は2次受け3次受け企業は経験を積むための企業という位置づけです。
2次受け3次受け企業は法律としては合法ですが、倫理・道徳感としては擁護のしようがないほどブラックです。今のところは法改正がされていないのでこういった業種業界は存続していますが、法改正によって禁止されることになる可能性もあります。
2次受け3次受けはパワハラ・サービス残業・違法行為など無法地帯
2025年現在、退職代行サービスの需要はとても高く、年間2万件、1カ月でおよそ2000件の依頼があります。労働関係でもめることになっても、弁護士事務所がひっ迫していて対応が遅れるなどします。労働基準監督署にも労働関係のトラブルが多数通報されるため、実質的に2次受け3次受けの企業の無法地帯化が進んでいるというのが実情です。
エンジニアは本来専門職に分類されるが、2次受け3次受けはパシリ雑業係なのに専門職として扱われ、未経験・学歴不問で人材の選別がないからこうなる
エンジニアは本来専門職に分類されます。高度な技術がなければつくことのできない職です。しかしながら、2次受け3次受けの企業は、このエンジニアがやっているいくつかの雑用だけを巻き取った存在です。専門職に分類はされますが、実際にはPDFを印刷する、テンプレートのメールを送信する、メールの送信先をダブルチェックする、手順書通りに雑用をする、ぐらいのことしかしません。
給与も税引き前の額面で300万円を切るケースも多数あり、ボーナスもとても少ないのが実情です。
こういった会社の求人では「人柄重視」「未経験歓迎」などといった文言が書かれます。可能な限りこういった企業への就職は避けましょう。おすすめは以下の記事で紹介している企業への就職です。
なお、上記の記事の企業へ読者が就職しても当サイトの関係者が収益を得られることはないため、本当におすすめしている企業群です。
転職について
エンジニアが転職を考えるケースはいくつかあるかと思います。
- 2次受け3次受けの企業だと知らずにに就職してしまった
- エンジニアになりたかったのに入社してみたら雑用しかやらなくてスキルが上がらなかった
- やっている業務と身に着けたいスキルが別のものになった
- 給与が低すぎた
- 人間関係が悪かった
- 他
各ケースごとに考えたいことをまとめます。
2次受け、3次受けの企業とは知らずに就職した
エンジニアとして初めて稼働する場合や、自社サービスを提供していないただの2次受け3次受け起業に就職してしまうケースもあると思います。
その場合に自社サービスを提供している会社への転職を考えている場合は以下の点を理解しましょう。
- 自社サービスのある会社は通年採用ではなく3月、4月などの年始の一括採用が多い
- 面接回数は複数あり、役員レベルの人材と最終面談を行う
- 採用難易度が高いので自身の能力に対する信用が問われる
自社サービスを持っている、中抜きが目的ではない企業は通年採用ではなく年1度3月、4月入社が多い
2次受け3次受けの中抜きを目的としている企業と異なり、きちんと自社サービスを設けている企業では、通年でいつでもだれでもかれでもウェルカムというスタンスではなく年に1度4月ころに一斉入社として人材を募集するケースが多くみられます。
間違えて中抜きを目的とした悪意ある企業に入ってしまったからといってすぐに転職のため退職するのではなく、きちんと就職に備えて準備をしましょう。
面接回数は複数で最終面接で役員と面接する
中抜きを目的としている企業は人を採用して中間搾取が出来さえすればいいので面接は基本的に複数回行いませんが、自社サービスを提供している企業の場合人材の質にこだわっていることがほとんどですので、面接は複数回行われます。
最終的には決裁権者である役員と面接します。まあこれは2次受け3次受けも同じですね。
エンジニアになりたかったのに入社してみたら雑用しかやらなくてスキルが上がらなかった
見出しの通り、これも日本のエンジニアあるあるです。未経験採用をうたっているSES、Sierに多いですね。いざエンジニアとして稼働してみたら仕事の手順がかなり細かく決まっていて細かいことが記載された手順書通りに単純作業をするだけの仕事を毎日毎日振られてしまい、まったく技術に関する理解も進まないまま日々を過ごしてしまい、結果自分の思い描いた人生設計をかなえられていないケースです。
スキルをあげたいなら1次受け、自社サービスを展開している企業へ転職がおすすめ
このケースでも、スキルを時間をかけて身に着けて自社サービスを展開している企業へ転職するのがおすすめです。間違っても2次受け3次受けで自社サービスを展開している企業の仕事を外注で請け負っている企業への就職は避けたほうがいいです。間違ってスキルがあるのに2次受け3次受けで稼働するとまったく働かないプロパの下(もと)で自分(プロパ)でやったらどうですか、と思ってしまうような仕事がふってくるだけの立場になってしまいます。
日本のエンジニア市場を鑑みるに、スキルを身に着けてやりたくない仕事は2次受け3次受け企業に押し付けるという構造が板についているので、仕事を押し付ける側の立場に立ったほうが生活は楽だと言えるでしょう。
やっている業務と身に着けたいスキルが別のものになった
一番転職理由としてまっとうな理由だと思います。インフラ系の仕事をしていたが、アプリ開発やゲーム開発をやりたくなった場合です。
IT関連の仕事は専門こそ細かく分かれますが、別の専門分野に移ったとしても、これまで専門にしていた分野が全く関係なくなるということはあまりないかと思います。OSI参照モデルのL2,L3がこれまで専門だったがL7が専門になるなどの変化はあっても不思議ではありません。
中抜きのせいで給与が低い
エンジニアに支払われる単価が50万円で、実際に稼働しているエンジニアに支払われる金額が20数万円というケースはこの業界で多く見られる給与形態です。本来中抜きがなければもっと多く給与がもらえるが中抜きのせいで給与が低い、だから転職するというもよくある転職理由です。
人間関係が悪かった・パワハラが横行していた
2025年現在、公的機関に寄せられるパワハラの相談件数は右肩上がりで増加しています。
今回の集計結果をみると、令和5年度に寄せられた総合労働相談件数は1,210,412件と4年連続で120万件を超え、高止まりの状態となっています。

いじめやパワハラは日本の労働環境によくみられるごく一般的な現象です。パワハラ、として認められるケースも複数散見される事象なのでパワハラが原因で転職する場合はこればかりは運としか言えません。
次回新しく転職して働きなおす際はパワハラやいじめのような事象が日本の職場では頻繁に起こるものだ、という認識のもと働くのがおすすめです。
まとめ
日本の労働環境は過去に例を見ないほど劣悪な環境であるというのが多くの統計をみた限りの筆者の感想です。日本の労働環境は、物価は上がるが、年収は増えず、パワハラいじめは年々増加傾向にあり、他国と比べて比較にならないくらい多い派遣会社数によって中抜きが横行し、ろくに経済成長をしていない、そんな環境です。特にアメリカの経済成長は経済産業省の資料によればGAFAM(Google、Apple、Facebook(Meta)、Amazon、Microsoft)による影響が大きいとのことなので、技術産業を中抜きによってつぶしている日本の自滅に付き合わされる、というのが日本のエンジニアの実態です。
このような実態がありながらも日本で稼働してくれる労働者には感謝する必要があると筆者は思うと同時に、このような環境は早急に変えていかなくてはいけないでしょう。具体的には、業種によって派遣業は違法になっています(2次受けは禁止など)。IT業界にもこのような規制がなければますます日本の労働環境は悪化し、社会主義・共産主義化が進みやがてかつてのソ連のように崩壊するのは間違いありません。
今の日本はかつて崩壊したソ連に日に日に近づいています。国家、としての形態を保てなくなるのは時間の問題でしょう。しかしながら、日本でエンジニアとして稼働する以上はこの崩壊しゆくこの国家、この労働環境と付き合っていくしかありません。労働環境を理解した上で、自分の無理のない範囲で稼働するのがおすすめだと筆者は考えています。