インプレス社が提供している1週間でCCNAの基礎が学べる本の内容をレビューします。
インプレス社の1週間でCCNAの基礎が学べる本の概要

インプレス社が提供している、1週間でCCNAの基礎が学べる本はCCNAの試験範囲の技術に関する詳細を1週間で読み流して学ぶことができる本です。
実際に買って読んでみましたが、CCNAを取得したい人がCCNAの概要を理解したり、本格的にCCNAを学ぶ前にざっと技術的な理解をしておきたい人におすすめの書籍です。
本記事では1週間でCCNAの基礎が学べる本についての詳細を解説します。
CCNAとは
CCNAはシスコ社が提供しているアソシエイト(プロフェッショナルのワンランク下)資格です。ネットワークエンジニアになりたい学生やネットワークエンジニアがスキルアップのために取得するシスコ社のベンダー資格です。
1日目から7日目、で内容を記載している。OSI参照モデルの低いレイヤから解説される
本の中身は1日目、から7日目までで分野を分けて記載しています。
内容は以下です。
| 日数 | 内容 |
| 1日目 | ネットワークの基礎と階層モデル |
| 2日目 | リンク層とスイッチの機能 |
| 3日目 | インターネット層とIPアドレス、ルータの機能 |
| 4日目 | トランスポート層とアプリケーション層、TCP/IP通信 |
| 5日目 | アドレス変換とIPv6基礎、ネットワーク設定 |
| 6日目 | Cisco機器の管理と基本操作 |
| 7日目 | 無線LANの基礎とセキュリティ |
本の中身の詳細はインプレス社の公式サイトにも記載されています。

OSI参照モデルの詳細は以下の記事でまとめています。
OSI参照モデルの第1レイヤから第4レイヤまで順番に解説されていく
OSI参照モデルというネットワークの規格の低レベルのレイヤからもとにネットワークの概要を解説していっている本です。
OSI参照モデルは第1から第7まで順番に存在しますが、謄本では主に第1レイヤから第4レイヤまでの内容が解説されています。1日目から7日目までにかけて、OSI参照モデルのレイヤ1からレイヤ上位の順に内容が解説されていきます。
1日目の内容
1日目では以下の内容が記載されています。
- ネットワークの概要
- LANとWAN
- ネットワークトポロジ
- 2進数10進数16進数の説明
- OSI参照モデル
- プロトコルの説明
内容としてはOSI参照モデルそのものの説明、つまりネットワーク全体の概要から説明しています。読者に向けて、意外とOSI参照モデルは重要な概念なので、軽く理解しておきましょう。
ネットワークの概要
ネットワークの概要について述べられています。一部記載内容を引用して紹介します。
ネットワークとは、網(net)状につながって機能するものを指します。網状なので、お互いにつながっているわけです。
1週間でCCNAの基礎が学べる本 – p.18
LANとWAN
Local Area NetworkとWide Area Networkの頭文字がLANとWANです。1日目の内容ではこのLANとWANの内容が解説されています。
LANについては以下のように説明されています。
LAN(Local Area Network)は、1つの建物や敷地内など限られた場所で構築されたネットワークです。たとえば、企業内の同一ビル(あるいはフロア)内で構築されたネットワークや、家庭で複数のPCやプリンタを接続したネットワークがLANになります。LANは、限られた敷地内にある機器同士を自分たちで自由に接続したネットワークです。
WANについては以下のように説明されています。
WAN(Wide Area Network)は、地理的に離れたLANとLANをつないだネットワークです。たとえば、ある企業の東京本社と大阪支社がそれぞれLANを構築している場合、双方のLANを接続することで、企業内で情報のやり取りができるようになります。こうしたネットワークがWANに相当します。
WANは通信事業者が提供するサービス(回線)を使用して構築されます。WANのサービスにはさまざまな種類があり、回線使用料も異なります。
1週間でCCNAの基礎が学べる本 – p.23
2日目の内容
2日目には以下の内容が記載されています。
- ケーブルの種類
- イーサネットの規格
- MACアドレスの概要
- CSMA/CDの概要
OSI参照モデルの第1レイヤである物理層、第2層であるデータリンク層に関する内容に触れています。
3日目の内容
3日目はOSI参照モデルの第3レイヤに該当するネットワーク層に関しての内容を記載しています。
- IPアドレスの概要
- ルーティングプロトコルの概要
4日目の内容
第4レイヤトランスポート層、第7レイヤのアプリケーション層の内容について触れています。
- ポート番号(ウェルノウンポート、レジスタードポート、ダイナミックポート
- TCP/IPの概要(スリーウェイハンドシェイクなど)
- TCPとUDPの概要
- ARPの概要
- TCP/IPアプリケーション層のプロトコル
- DHCPの仕組み
- ドメインの概要
- DNSの仕組み
- HTTPの概要
5日目の内容
主に以下の内容について触れています。
- アドレス変換(NAT、NAPTの概要)
- IPv6の概要
- コンピュータネットワークの設定
- pingコマンドの概要
NATの概要
NATはNetwork Address Translationの頭文字でナットと発音します。
そもそもIPアドレスにはインターネットと接続するためのIPアドレス(グローバルIPアドレス)と、そうではなく、家庭内やオフィス内だけで用できるプライベートIPアドレスがあります。
NATは、このプライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換するために使用される技術です。
NAPTの概要
NAPTは、NATの技術を拡張したものでPはPortを意味し、Network Address Port Translationの頭文字です。NAPTにはNATに加えて以下の特徴があります。
- 1つのグローバルIPアドレスに対して複数のプライベートIPアドレスで共有できる(1対多のアドレス変換が可能)
- IPアドレスだけでなくポート番号も変換できる
なお、シスコではNAPTのことをPAT(パット、Port Address Translation)と呼んでいます。
IPv6アドレスの概要
IPv6アドレスはIPv4アドレスの枯渇に対応するために開発されたアドレス体系です。
IPv6アドレスは128ビットで16進数を使ったアドレスになります。
IPv6アドレスの種類
IPv6アドレスには以下の種類があります。
- ユニキャストアドレス
- マルチキャストアドレス
- エニーキャストアドレス
ユニキャストアドレスは個々のネットワークインターフェースに割り当てるアドレスで、1対1の通信に使用します。
マルチキャストアドレスは特定のインターフェースの集合に対する通信の宛先となるアドレスで、1対多の通信で使用します。
エニーキャストアドレスは、複数のネットワーク機器やサーバーに同じアドレスを割り当てておいてルーティング上もっとも近い機器にだけ通信を転送するのに使用されるアドレスです。
WindowsのIPアドレスの設定方法
Windows のOSに対してIPアドレスを割り当てる方法が紹介されています。
Windowsではコマンドプロンプトを起動してipconfigと入力することで自身のIPアドレスを確認できます。
pingコマンドの概要
pingコマンドは、通信の疎通確認ができるコマンドです。
6日目の内容
6日目はCisco機器の操作方法、管理方法について記載されている章です。
以下の内容が掲載されています。
- Cisco ISOのモード
- ホスト名の設定
- Cisco機器のアイコン
- Cisco機器の基本操作
- パスワードの設定
- IPアドレスの設定
- 設定を確認する方法
- インターフェースの詳細情報を確認する方法
Cisco Packet Tracerの使用について案内されています。
Cisco ISOのモード
Cisco機器を操作する際はいくつかのモードがあります。本書では主なモードが紹介されています。
| モード | プロンプト | 説明 |
| ユーザーEXECモード | > | 機器の状態を確認するなどの使用するモード。 ただしこのモードでは確認できる情報に制限がある。 設定値などを変更できないので、不用意な事故を防ぐため設定の確認で使用する。 |
| 特権EXECモード | # | 機器の設定の確認だけでなく、設定の変更や再起動が行えるモード。 |
| グローバルコンフィギュレーションモード | (config)# | 機器全体の設定を行えるモード。 |
| インターフェイスコンフィギュレーションモード | (config-if)# | インターフェースに関する設定を行うモード。 |
| ラインコンフィギュレーションモード | (config-line)# | コンソールやVTYポートに関する設定を行うモード。 |
| ルータコンフィギュレーションモード | (config-router)# | ルーティング設定に関するモード。 |
7日目の内容
7日目は無線LANの概要、WiFiの詳細な規格について記載されています。






