CCNPコア試験 ENCOR(350-401)「15% 1.0 アーキテクチャ」の技術的内容の解説をまとめました。
以下の内容について詳細を解説します。
15% 1.0 アーキテクチャ
1.1 エンタープライズネットワークに使用される各種の設計原理の相違点の説明
1.1.a ティア 2、ティア 3、ファブリックのキャパシティプランニングなどのエンタープライズ ネットワーク デザイン
1.1.b 冗長性、FHRP、SSO などのハイ・アベイラビリティ機能
1.2 WLAN 展開の設計原理の分析
1.2.a ワイヤレス展開モデル(集中型、分散型、コントローラレス、コントローラベース、クラウド、リモート ブランチ)
1.2.b WLAN 設計におけるロケーション サービス
1.3 オンプレミス展開とクラウド インフラストラクチャ展開の相違点
1.4 Cisco SD-WAN ソリューションの作動原理の説明
1.4.a SD-WAN のコントロールおよびデータ・プレーンの構成要素
1.4.b 従来型の WAN ソリューションと SD-WAN ソリューション
1.5 Cisco SD-Access ソリューションの作動原理の説明
1.5.a SD-Access のコントロールおよびデータ・プレーンの構成要素
1.5.b 従来からのキャンパス LAN と SD-Access の相互運用
1.6 有線およびワイヤレス QoS の概念の説明
1.6.a QoS の構成要素
1.6.b QoS ポリシー
1.7 ハードウェア スイッチングとソフトウェア スイッチングにおけるメカニズムの相違点
1.7.a プロセスと CEF
1.7.b MAC アドレス テーブルと TCAM
1.7.c FIB とRIB
「1.1 エンタープライズネットワークに使用される各種の設計原理の相違点の説明」
本出題範囲におけるエンタープライズネットワークとは、企業が運営しているネットワークの設計に関するネットワークの概要のことを指します。エンタープライズ環境下で使用されているネットワークの詳細について解説をまとめました。
「1.1.a ティア 2、ティア 3、ファブリックのキャパシティプランニングなどのエンタープライズ ネットワーク デザイン」の技術内容解説
ティア2、ティア3は、ネットワーク設計モデルの中で、2階層ネットワーク設計モデル、3階層ネットワークモデルのことを指します。
2階層ネットワーク設計モデルは、ディストリビューションスイッチ(L3)とアクセススイッチ(L2)の2階層に対してスイッチを使用するネットワーク設計モデルです。
3階層ネットワーク設計モデルは、2階層ネットワーク設計モデルでのディストリビューションスイッチとアクセススイッチに加えて、コアスイッチを導入したネットワーク設計モデルです。
詳細を解説していきます。
2階層ネットワーク設計モデルの概要
2階層ネットワーク設計モデルは、3階層ネットワークモデルで説明している、コア層がなく、ディストリビューションスイッチとアクセススイッチで構成されたネットワークの設計モデルです。
コアが存在しないため、コラプスト コア(Collapsed core:つぶれたコア)設計とも呼ばれます。

https://www.cisco.com/web/JP/solution/netsol/designzone/literature/pdf/OL-15716-01-J.pdf
2階層ネットワーク設計モデルは小規模向けのネットワーク設計です。
3階層ネットワーク設計モデルの概要
「3階層キャンパス設計モデル」とも呼ばれるネットワーク機器の設計モデルです。
3階層ネットワーク設計モデルは、スマートフォンやパソコンがつながるアクセススイッチ(ASW、L2スイッチ、レイヤ2スイッチ)、そのアクセススイッチを束ねるディストリビューションスイッチ(DSW、L3スイッチ、レイヤ3スイッチ)、さらにディストリビューションスイッチを束ねるコアスイッチの3階層の構成のネットワーク設計モデルです。

https://www.cisco.com/web/JP/solution/netsol/designzone/literature/pdf/OL-15716-01-J.pdf
「1.1.b 冗長性、FHRP、SSO などのハイ・アベイラビリティ機能」の概要
「1.1.b 冗長性、FHRP、SSO などのハイ・アベイラビリティ機能」の概要を解説します。
FHRPの概要
FHRP(First Hop Redundancy Protocol)は、クライアントからのFirst Hopにあたるデフォルトゲートウェイを冗長化するプロトコルをです。FHRPを導入することで、使用しているデフォルトゲートウェイに障害が起こっても、ネットワーク機器に設定しているデフォルトゲートウェイのアドレスを手動で変更する必要がなくなります。
FHRPでは物理的に2台で冗長化されたネットワーク機器を使います。FHRPを使用することで、冗長構成になっているネットワーク機器を使ってトラフィックの転送を効率的に行います。
SSO、ステートフル スイッチオーバー(Stateful Switchover)の概要
SSOはステートフル スイッチオーバー(Stateful Switchover)の略です。基本情報技術者試験やAWS認定資格などでSSOを「シングルサインオン(Single Sign-On)」の略語として使用しますが、CCNPの試験では、SSOはステートフルスイッチオーバーのことも意味します。※文脈から判断しましょう。
SSO(ステートフル スイッチオーバー)は、冗長化に関する技術です。
Cisco IOS ソフトウェアで Stateful Switchover(SSO; ステートフル スイッチオーバー)機能と Nonstop Forwarding(NSF; ノンストップ フォワーディング)を組み合わせることにより、スイッチオーバー後に、ユーザがネットワークを使用できない時間が最小限に抑えられます。SSO の主な目的は、Cisco IOS ルータで構成されるネットワークのアベイラビリティを改善することです。SSO は次の機能を実行します。
- ステートフル プロトコルおよびアプリケーション情報を保持し、スイッチオーバーの間、ユーザ セッション情報を維持します。
- ライン カードがセッションを失うことなくネットワークトラフィックを転送し続けるので、ネットワークのアベイラビリティが向上します。
- システム アベイラビリティの高さと比較して、高速なスイッチオーバーを実現します。
参考資料
本記事の作成に使用した参考資料を掲載します。

https://www.cisco.com/web/JP/solution/netsol/designzone/literature/pdf/OL-15716-01-J.pdf

