CCNAの概要についてまとめました。
CCNAはCiscoが実施しているネットワーク・Ciscoが提供している機器(ルータ・スイッチ)に関する認定資格です。
CCNAの学習範囲
以下のリンク(Cisco公式が出しているCCNA v1 200-301の試験範囲PDF)にCCNAの出題範囲がまとめられています。
上記のPDFで、100%中どの分野が何%出題されるか記載されています。以下はその内容を一部抜粋しました。
CCNA試験の全体の20%は以下の出題があります。
1.0 ネットワークの基礎
1.1 ネットワーク コンポーネントの役割と機能の説明
1.1.a ルータ
1.1.b L2 および L3 スイッチ
1.1.c 次世代ファイアウォールおよび IPS
1.1.d アクセス ポイント
1.1.e コントローラ(Cisco DNA Center および WLC)
1.1.f エンドポイント
1.1.g サーバ
1.2 ネットワーク トポロジ アーキテクチャの特徴についての説明
1.2.a 2 ティア
1.2.b 3 ティア
1.2.c スパインリーフ
1.2.d WAN
1.2.e スモール オフィスおよびホーム オフィス(SOHO)
1.2.f オンプレミスおよびクラウド
1.3 物理インターフェイスおよびケーブリング タイプの比較対照
1.3.a シングルモード ファイバ、マルチモード ファイバ、銅線
1.3.b 接続(Ethernet 共有メディアとポイントツーポイント)
1.3.c PoE の概念
1.4 インターフェイスおよびケーブルの問題の特定(コリジョン、エラー、デュプレックスのミス
マッチ、スピード)
1.5 TCP と UDP の比較対照
2019 Cisco Systems, Inc. This document is Cisco Public. ページ 2
1.6 IPv4 アドレッシングとサブネット化の設定および確認
1.7 プライベート IPv4 アドレッシングの必要性についての説明
1.8 IPv6 アドレッシングとプレフィックスの設定および確認
1.9 IPv6 アドレス タイプの比較対照
1.9.a グローバル ユニキャスト
1.9.b ユニーク ローカル
1.9.c リンク ローカル
1.9.d エニーキャスト
1.9.e マルチキャスト
1.9.f 修正 EUI 64
1.10 クライアント OS(Windows、Mac OS、Linux)の IP パラメータの確認
1.11 ワイヤレスの原理
1.11.a オーバーラップしない Wi-Fi チャンネル
1.11.b SSID
1.11.c RF
1.11.d 暗号化
1.12 仮想化の基本(仮想マシン)の説明
1.13 スイッチングの概念の説明
1.13.a MAC ラーニングおよびエージング
1.13.b フレームのスイッチング
1.13.c フレームのフラッディング
1.13.d MAC アドレス テーブル
以下の分野はCCNAの全体の20%出題されます。
2.0 ネットワーク アクセス
2.1 複数スイッチにまたがる VLAN(ノーマル・レンジ)の設定および確認
2.1.a アクセス・ポート(データと音声)
2.1.b デフォルト VLAN
2.1.c コネクティビティ
2.2 スイッチ間接続の設定および確認
2.2.a トランク ポート
2.2.b 802.1Q
2.2.c ネイティブ VLAN
2.3 レイヤ 2 ディスカバリ プロトコル(Cisco Discovery Protocol およびLLDP)の設定および確
認
2019 Cisco Systems, Inc. This document is Cisco Public. ページ 3
2.4 (レイヤ 2/レイヤ 3)EtherChannel(LACP)の設定および確認
2.5 RSTP(Rapid PVST+ Spanning Tree Protocol)の必要性とその基本的運用方法の説明
2.5.a ルート ポート、ルート ブリッジ(プライマリ/セカンダリ)、その他のポート名
2.5.b ポート ステート(フォワーディング/ブロッキング)
2.5.c PortFast のメリット
2.6 Cisco Wireless アーキテクチャおよび AP のモードの比較対照
2.7 WLAN コンポーネント(AP、WLC、アクセスまたはトランク ポート、LAGなど)における物理
的インフラストラクチャーの接続に関する説明
2.8 AP および WLC における管理アクセス接続(Telnet、SSH、HTTP、HTTPS、コンソール、
TACACS+/RADIUS)
2.9 GUI のみを使用したワイヤレス LAN アクセスのクライアント接続用コンポーネントの設定
(WLAN の作成、セキュリティ設定、QoS プロファイル、拡張 WLAN 設定など)
以下の分野はCCNAの全体の25%出題されます。
3.0 IP コネクティビティ
3.1 ルーティング テーブルを構成する要素の解釈
3.1.a ルーティング プロトコル コード
3.1.b プレフィックス
3.1.c ネットワーク マスク
3.1.d ネクスト ホップ
3.1.e アドミニストレーティブ ディスタンス
3.1.f メトリック
3.1.g ラスト リゾート ゲートウェイ
3.2 ルータがデフォルトでフォワーディング デシジョンを行う方法の決定
3.2.a 最長一致
3.2.b アドミニストレーティブ ディスタンス
3.2.c ルーティング プロトコルのメトリック
3.3 IPv4 および IPv6 でのスタティック ルーティングの設定および確認
3.3.a デフォルト ルート
3.3.b ネットワークルート
3.3.c ホスト ルート
3.3.d フローティング スタティック
2019 Cisco Systems, Inc. This document is Cisco Public. ページ 4
3.4 シングル エリア OSPFv2 の設定および確認
3.4.a ネイバー アジャセンシー
3.4.b ポイントツーポイント
3.4.c ブロードキャスト(DR/BDRの選出)
3.4.d ルータ ID
3.5 ファースト ホップ冗長プロトコルの目的の説明
以下はCCNAの全体の10%の出題範囲です。
4.0 IP サービス
4.1 スタティックおよびプールを使用した内部ソース NAT の設定および確認
4.2 クライアント/サーバ モードで動作する NTP の設定および確認
4.3 ネットワーク内部における DHCP および DNS の役割の説明
4.4 ネットワーク オペレーションにおける SNMP の機能の説明
4.5 syslog 機能(ファシリティ、レベルなど)の使用の説明
4.6 DHCP クライアントおよびリレーの設定および確認
4.7 QoS(分類、マーキング、キューイング、輻輳制御、ポリシング、シェーピングなど)のフォ
ワーディング PHB(Per-Hop Behavior)の説明
4.8 ネットワーク デバイスにおける SSH を使用したリモート アクセスの設定
4.9 ネットワークにおける TFTP/FTP の機能の説明
以下はCCNAの全体の15%の出題範囲です。
5.0 セキュリティの基礎
5.1 セキュリティの主要概念(脅威、脆弱性、エクスプロイト、軽減対策)の定義
5.2 セキュリティ プログラムの要素(ユーザ アウェアネス、トレーニング、物理的セキュリティ
対策)の説明
5.3 ローカル パスワードを使用したデバイスのアクセス制御の設定
5.4 セキュリティ パスワード ポリシーの要素(管理、複雑さ、代替手段(マルチファクタ認証、
証明書、生体認証)など)の説明
5.5 リモート アクセスおよびサイト間 VPN の説明
5.6 アクセス コントロール リストの設定および確認
5.7 レイヤ 2 セキュリティ機能(DHCP スヌーピング、ダイナミック ARP インスペクション、ポート
セキュリティ)の設定
5.8 認証、認可、アカウンティングの概念の区別
5.9 ワイヤレス セキュリティ プロトコル(WPA、WPA2、および WPA3)の説明
5.10 WPA2 PSK を使用した WLAN の設定(GUI を使用)
以下はCCNAの全体の10%の出題範囲です。
6.0 自動化とプログラマビリティ
6.1 ネットワーク管理における自動化の影響の説明
6.2 従来からのネットワークとコントローラベースのネットワークの比較対照
6.3 コントローラベースおよびソフトウェア定義型アーキテクチャ(オーバーレイ、アンダーレイ、
ファブリック)の説明
6.3.a コントロール プレーンとデータ プレーンの分離
6.3.b ノースバウンド API とサウスバウンド API
6.4 従来からのキャンパス デバイス管理と Cisco DNA Center 対応のデバイス管理の比較対
照
6.5 REST ベース API(CRUD、HTTP 動詞、データ エンコーディング)の特徴の説明
6.6 構成管理ツール(Puppet、Chef、Ansible)の機能についての理解
6.7 JSON エンコード データの解釈
CCNAに合格するための勉強方法
CCNAに合格するには、以下のことに取り組みます。
- CCNAの教材を読み込む
- Ping-tで試験に関係する演習を行う
- Udemyで講座を購入する
※合格体験記は現在準備中です。
CCNAの受験料
この記事を作成している2024年11月時点でのCCNAの受験料は税抜き39,000円、税込42,900円になっています。
CCNAを受験する
CCNAは、ピアソンビューから受験の予約が可能です。CCNAの受験は年間を通して任意のタイミングで受験が可能です。受験会場が開いていれば受験を予約して試験を受験します。
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CCNAの有効期限
CCNAの有効期限は3年です。3年が経過すると資格を失効します。CCNAなどの資格は失効している場合、履歴書にCCNA(2022年10月に失効済み)などと記載します。
CCNAの更新
CCNAの有効期限内にCCNA試験を再度受験するか、CCNAの上位資格、CCNPに合格することでCCNAは更新されます。
CCNPを取得するには、コンセントレート試験、コア試験の2試験に合格する必要がありますが、2試験のどちらに合格してもCCNAは更新されます。
CCNAと就職・転職活動
CCNAはネットワークエンジニアになるのであれば、ネットワークスペシャリストに合格している場合などを除いて、原則合格必須の資格試験です。CCNAに合格している場合は、ネットワークエンジニアの求人に対して選考が有利に働きます。
ネットワーク以外のエンジニアであっても、ネットワークの知識があることで対応できる業務の幅は広がるので、IT関係の仕事についていれば取得しておいて損のない資格です。
CCNAに関連する資格
CCNAはアソシエイト資格であるため、CCNAにはCCNP、CCIEなどより上位の資格が存在します。
LPIC/LinuCはLinuxの操作に関する資格です。サーバーの構築作業などにかかわる場合はCiscoのルータ・スイッチに加えてLinux、Windows Serverに触れるため、キャリアアップのためにLPIC/LinuCに合格しておくのもおすすめです。
まとめ
CCNAについての概要をまとめました。ネットワークに関する資格で、受験者も多くメジャーな資格であるので、エンジニア志望の方はぜひ受験しましょう。