Cisco社が提供しているネットワーク機器の概要をまとめました。
Cisco社の概要
シスコシステムズ(Cisco Systems, Inc.)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンノゼに本社を置く世界最大級のネットワーク機器メーカーです。ルーターやスイッチなどの基盤技術から、セキュリティ、クラウド、コラボレーションソリューションまで幅広く提供しています。
シスコはシリコンバレーにある企業
アメリカ合衆国カリフォルニア州サンノゼは「シリコンバレー」と呼ばれる場所で、シスコはIT企業が集中する場所に位置しています。シリコンバレーには、GoogleやAppleなどの本社もあり、シスコもそういった会社と似た文化に影響を受けていることが考えられます。
シスコはスタンフォード大学で生まれた企業の一つ
シスコ社の説明資料には以下のように記載されています。シスコ社はスタンフォード大学から生まれた企業の一つです。
1984年、スタンフォード大学の コンピュータ サイエンティストの夫妻が、
キャンパス間を‘つなげる’ためにネットワーク接続ための最初のマルチプロトコル ルータを開発しました。
ネットワーク技術の概要
シスコの機器について理解を深めるために、ネットワークに関する技術の理解も必要です。
以下の記事でネットワーク技術の概要についてまとめています。
シスコ社の製品
シスコの製品を紹介します。

シスコの主な製品はルータとスイッチです。以下のリンクでシスコ製品とサービスの一覧を確認できます。

シスコのルータ

エッジルータ(エッジ プラットフォーム)
インターネットや大規模WANの「入り口(エッジ)」に設置されるルータ。高スループット・高信頼性を重視。ISP(インターネットサービスプロバイダ)や大企業の本社データセンターで利用。大量のトラフィックを高速処理するため、機能は「ルーティング+セキュリティ」が中心で、音声やWAN最適化などの統合は基本的に行わない。

サービス統合型ルータ(ISR)
中小規模のオフィスや支店(ブランチオフィス)で利用されることが多いルータ。ルーティングに加えて セキュリティ機能(ファイアウォール/VPN)、音声(VoIP)、WAN最適化 などを統合。

シスコのスイッチ
シスコのスイッチは主にCatalystとNexusが使われます。
- Catalyst = 企業のオフィスLAN向けの定番スイッチ
- Nexus = データセンターやクラウド向けのハイパフォーマンススイッチ
Catalystはオフィスのネットワークを安定させる“社内向け”、Nexusはデータセンターやクラウド基盤を支える“裏方の高速スイッチ”、というイメージです。
Cisco Catalyst 9000 スイッチファミリ

すべてのシスコ製のスイッチは以下のリンクから確認できます。

シスコのアクセスポイント
アクセスポイントは、オフィス内などの無線WiFi接続を管理するネットワーク機器です。

パソコンでCiscoのネットワーク機器を操作する
シスコのネットワーク機器を自分のパソコン上で試しに操作することができるソフトを紹介します。
Cisco Packet Tracer
Cisco社が提供しているCiscoのネットワーク機器を操作できるソフトです。
GNS3
GNS3はGraphical Network Simulator 3のことです。Ciscoのネットワーク機器だけでなく、Juniperのネットワーク機器も操作することができます。
キャンパスネットワーク(CAN)とは
Ciscoのネットワーク機器の構成の一つにキャンパスネットワークがあります。

https://www.cisco.com/web/JP/solution/netsol/designzone/literature/pdf/OL-15716-01-J.pdf
構内ネットワーク
構内ネットワーク(LAN)は、オフィス内や施設内などの限られた物理的な空間内に設置されたネットワークのことです。
エンタープライズネットワーク
エンタープライズネットワークは、企業内で構築されたLANのことです。
2階層ネットワーク設計モデル(コア層・ディストリビューション層(コラプストコア)・アクセス層)について
2階層ネットワーク設計モデルはディストリビューション層(コラプストコア)とアクセス層の2階層に分けてネットワークの設計を決める設計モデルです。

画像の引用:https://www.cisco.com/web/JP/solution/netsol/designzone/literature/pdf/OL-15716-01-J.pdf
コア層
コア層はディストリビューション層の機器が集約される層で、高機能なハイエンドモデルのスイッチなどが配置される層になります。
ディストリビューション層(ディストリビューションスイッチ(DSW))
ルータやレイヤ3スイッチなどを使用する層で、各アクセス層のスイッチ等を集約する層です。
ルータ、レイヤ3スイッチ(L3SW)が配置される層です。
アクセス層(アクセススイッチ(ASW))
最終的なユーザーが使用するパソコンなどの機器へ接続するNW機器が配置される層です。
レイヤ2スイッチ(L2SW)やスイッチングハブが使用されます。
CiscoのNW機器の使い方(CLI コマンドモードについて)
Ciscoのネットワーク機器の使い方を紹介します。
ユーザEXECモード
ユーザ EXECモード | Router> |
特権EXECモード
以下のコマンドを入力することで特権EXECモードに移行することができます。
enable
コンフィギュレーションモード
configure terminal
グローバルコンフィギュレーションモード
インターフェースコンフィギュレーションモード
ルータコンフィグレーションモード
ラインコンフィグレーションモード
CiscoのNW機器に関連する資格
Ciscoのネットワーク機器に関する資格を紹介します。Ciscoの認定資格は以下の順で難易度が高くなっています。
- CCST
- CCNA
- CCNP
- CCIE
Ciscoが提供する認定資格は、ネットワーク機器の操作に関する理解力を証明するだけでなく、ネットワークの技術の理解に対する証明も行っています。ネットワークエンジニアになるためにはCCNAからの取得がおすすめです。
CCNA
CCNAはCiscoの提供するネットワーク機器に関するアソシエイト資格です。ネットワークエンジニアになりたい場合は登竜門のような資格です。
CCNP
CCNPはシスコが提供するネットワーク機器のプロフェッショナル資格です。
CCIE
CCIEはCisco認定資格の中でも「エキスパート」に該当する資格です。CCIEのEはExpert(エキスパート)を意味します。
まとめ
シスコのネットワーク機器とその使い方、認定資格についての概要をまとめました。ネットワークエンジニアになる場合はシスコのネットワーク機器に関する理解は必須です。Packet Tracerを使用したり、CCNAの教材を購入するなどしてネットワークに関する理解とシスコの機器の操作になれておくといったことをやっておきましょう。