AWS等のアメリカのIT企業が提供している資格と日本のIT関連の国家資格の過去問に対する考え方の違いを紹介します。
日本のIT関連の国家資格は過去問は公式に公開されている
大前提として、日本のIT関連の国家資格に限らず、日本の受験文化としては過去問を公開して、過去問をもとに受験生は勉強をして資格を取得します。これは大学受験や高校受験等も同じ仕組みです。
一部の過去問は同じ問題が使いまわされますが、一部の問題は使いまわされず、数値等が変えられた類題が出題されます。
日本の資格は過去問で対策するのが王道
日本の国家資格は、過去問からも問題がそのまま一定数出題されます。過去問から学び、試験の対策をするのが王道です。
アメリカの民間企業が提供するIT資格は過去問が公開されない
アメリカの民間企業が公開しているIT関連の資格は、公式は過去問を公開しません。
日本は公開が原則、海外は非公開が原則
日本の学校や国家試験、民間試験は公開が原則で(運転免許や危険物といった受験回数、受験者が多い試験は非公開もあるが)毎回違う問題を作成するという原理原則のフローになっていると思うが海外では非公開が原則で試験問題の再利用は珍しくない。学校教育もしかり、国家試験もしかりだ。

そのため、実際にその資格対策で必要な情報を自分で探していく必要があります。
ブレインダンプによるアメリカの民間企業の資格対策
ブレインダンプとは、出題される問題を頭の中で記憶しておき、それを後で思い出してデータや記録として保存していく方法です。
アメリカには、ブレインダンプサイトと思われる、民間のIT企業の資格の過去問が公開されているサイトも存在しています。
ブレインダンプサイトを利用した資格の取得は有効なのか?
結論、ブレインダンプによって取得した資格は有効ではないというのが、資格を提供する企業の答えだと思います。
あくまでもこれは当サイトが「そう思います」という主張にすぎませんが、後述のように少なくともMicrosoftではブレインダンプサイトの利用による資格取得は不正であるとの考えを示しています。
Microsoftのブレインダンプサイトに関する考え方
たとえば、Microsoftの認定資格に関しては、ブレインダンプによって資格を取得する行為を不正な行為として定義しています。
不正な行為の例
不正な行為とは、資格のない受験者が試験や評価ラボに合格することを可能とする何らかの行為です。 このような種類の悪質な不正行為は、Microsoft 資格証明プログラムの信頼性にマイナスの影響を与えます。 不正行為の例には、試験や評価ラボ中に自分を支援する AI の使用、代理受験、試験や評価ラボの準備のためのブレイン ダンプ サイトの使用、他者と共有するためのコンテンツの盗み出し、スコア レポートの偽造などが含まれ、これらに限りません。

過去問やブレインダンプサイトの利用は悪か?
過去に出題された問題を活用した資格対策は、結局のところ技術的な理解がなければ有効な対策になりません。この問題が来たら、どの選択肢を選べばいいか暗記するというだけで資格を取得できるほど甘い資格試験ではありません。
問題の技術的な内容と、解答の技術的な内容をしっかり理解していなければ資格を取得することはできないため、過去問を利用して技術を学ぶことは有用です。
そういった意味では、ブレインダンプサイトの活用による過去問からの学習は技術を身に着けるという観点からすれば決して悪だとは言いづらいのが実態です。ただし、資格を提供している企業の中にはブレインダンプサイトの利用は不正であると定義している企業もある以上はブレインダンプサイトの活用を積極的に推奨しづらい側面があると言えます。
IT資格の本質は技術力の照明
IT関連資格の取得の本質は、技術力を証明して就職や転職で優位になることです。
過去問の活用は技術力を向上させるのに十分な有効性があるものであるので、積極的に過去問を確認して技術力を高めましょう。