Juniper(ジュニパー)の概要をまとめました。
Juniperとは
Juniper Networks(ジュニパーネットワークス)は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サニーベールに本社を置く、ネットワーク機器およびセキュリティ製品を提供する企業です。1996年に設立され、主に企業や通信事業者向けに高性能なルーター、スイッチ、ファイアウォール、VPN製品などを開発しています。Juniperは、特にインターネット・バックボーンや大規模データセンター向けネットワーク機器で高い評価を得ています。
Juniper のNW機器はJunOSが搭載される
Juniper製ネットワーク機器の最大の特徴は、独自OSである「JunOS(ジュノス)」が搭載されていることです。JunOSはFreeBSDをベースにしており、高い安定性とセキュリティ性を誇ります。また、コマンド体系は一貫性があり、ルーター・スイッチ・ファイアウォールで基本的に同じ操作感で利用できます。
JunOSの主な特徴は以下の通りです:
- CLI操作が直感的かつ論理的(階層構造による設定)
- 自動ロールバック機能(設定ミスからの復旧が簡単)
- スクリプトによる自動化が可能(SLAXやPythonを利用可)
- 高い冗長性と信頼性(キャリアグレードに対応)
CiscoのNW機器はIOS(アイオーエス)が搭載
対して、Cisco製のネットワーク機器には「Cisco IOS(Internetwork Operating System)」が搭載されています。こちらはCisco独自のOSで、グローバルに最も普及しているネットワークOSのひとつです。
Cisco IOSは以下の特徴があります:
- 業界での広い採用実績
- 単一OSで幅広いデバイスをサポート
- コマンド構文が直線的で学習しやすい(反面、一部で非統一)
CiscoのNW機器との違い
JuniperとCiscoのネットワーク機器には、以下のような主な違いがあります:
OS構造の違い
JunOSはモジュール型アーキテクチャを採用しており、各機能が独立して動作するため、システムの一部に問題が発生しても他の機能に影響を与えにくい。一方、Cisco IOSはモノリシック(単一プロセス)構造で、障害時の影響範囲が広がりやすい。
CLI構文の違い
JunOSは階層構造による設定体系で、構成ミスが起きにくく直感的。Cisco IOSはコマンドラインが一行完結型でわかりやすいものの、設定変更の管理は慎重を要する。
ロールバック機能
Juniperは設定変更後に自動でロールバックを設定できるため、誤設定によるリスクを軽減できる。一方Ciscoは明示的にコンフィグ保存を行わないと変更が即時反映される。
コストとサポート
Juniperの機器はCiscoに比べて価格が抑えられる傾向があり、中規模ネットワークやクラウド構築に採用されるケースが増えている。
Juniper のネットワーク機器
Juniperのネットワーク機器の概要を紹介します。
SRXシリーズ
JuniperのSRXシリーズはネットワークのファイヤーウォールに関する機器です。

SRXシリーズの使い方については以下のJuniper公式記事が参考になります。
https://www.juniper.net/content/dam/www/assets/additional-resources/jp/ja/102-cli-modes.pdf
MXシリーズ
JuniperのMXシリーズはJuniperが提供しているルーターのブランドです。

JunOSの使い方に関する資料を確認して使います。
MISTについて
MISTはクラウドで一元管理できる管理システムです。
- Juniper Mistとは?
もともとは、機械学習による解析などを特長とするクラウド型の無線LAN管理サービスを提供していた”Mist Systems”を、2019年に”Juniper Networks”が買収し、自社のソリューションの一つとしたものです。Juniper Mistクラウドによって「SRXシリーズFW」「EXシリーズスイッチ」「Mistアクセスポイント」を一元管理することが可能です。
