LinuCの概要まとめ:LinuxとLinuxに関連した技術を問うサーバーエンジニアのための民間資格

IT資格

LinuCの概要をまとめました。

LinuC(リナック)とは

LinuCは「リナック」と読みます。LinuC公式サイトではLinuCに関して以下のようにまとめられています。

Linux技術者認定「LinuC(リナック)」とは、クラウド/DX時代のITエンジニアに求められるシステム構築から運用管理に必要なスキルを証明できる技術者認定です。アーキテクチャ設計からシステム構築、運用管理までの技術領域を広くカバーしており、4つのレベルの認定取得を通じて一歩ずつ確実に求められるスキルを習得し、それを証明することができます。
LinuCの出題範囲策定や試験開発は、実際に現場で活躍しているハイレベルなITエンジニアが参加するコミュニティによって行われています。そのため、グローバルで業界標準として利用されている技術領域をカバーし、システム開発や運用管理の現場で本当に必要とされる知識や実践的なスキルを問う内容になっています。その結果として従来型のLinux領域にとどまった技術認定とは異なり、国内・海外を問わず活躍を目指すITエンジニアにとっても十分役立つ技術者認定となりました。

Linux技術者認定 LinuC(リナック)とは | LPI-Japan

説明文の中で登場する「クラウド」とは、AmazonやGoogleなどの企業が管理しているデータセンターのサーバーの一部の機能を、ユーザー向けに従量課金で貸し出しているサービスのことを指します。一般的にはクラウドといえばシェアが最も多いAWSや、GoogleのGCP、MicrosoftのAzureなどがあげられます。また、クラウドといっても大企業だけでなく、知名度こそ大きくない企業もクラウドサービスを提供しています。

説明文に出てくるDXは、デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)のことで、書類などで管理していたもの、つまりアナログだったものをパソコンやスマートフォンなどのデジタルな世界での管理に移行しようとする試みのことです。

LinuCの難易度設定

LinuCは、単に「LinuC」という資格があるだけでなく、証明できる技術力ごとにレベル分けがされています。

LinuCシステムアーキテクト
オンプレ/クラウド、物理/仮想化を含むシステムのライフサイクル全体を俯瞰して最適なアーキテクチャを設計・構築ができる上級エンジニアの証明(ITSSレベル4相当のスキルレベル)

LinuCレベル3
異種混在環境の運用、Linuxベースのセキュアなシステムの設計・構築、大規模な仮想化システムや高可用性システムの構築などのスキルを持つスペシャリストの証明(ITSSレベル3)

LinuCレベル2
仮想環境を含むLinuxのシステム設計・ネットワーク構築において、アーキテクチャに基づいた設計・導入・保守・問題解決ができるエンジニアの証明(ITSSレベル2)

LinuCレベル1
コンピュータシステムを理解し、仮想環境を含むLinuxシステムの基本操作とシステム管理が行える即戦力エンジニアの証明(ITSSレベル1)

Linux技術者認定 LinuC(リナック)とは | LPI-Japan

各LinuCのレベルの概要を紹介します。

LinuCの各レベルの概要

LinuCのレベルには、1から3までが設定されています。

LinuCのレベル1は、Linuxを使ったサーバーの運用保守ができるレベルの技術力を証明する資格です。

LinuCレベル2はLinuxサーバーの構築と設計ができるレベルの技術力を証明できる資格です。

LinuCレベル3は、300の分野、303の分野、304の分野と3分野があり、それぞれWindowsとLinuxの混合環境、セキュリティに関する分野、可用性と仮想化に関する分野の技術資格です。

サーバーの運用保守であればLinuCレベル1の取得

LinuCレベル1であればサーバーの運用保守に関する技術力を証明するのに最適です。サーバーエンジニアで運用保守を行うためにLinuCレベル1の取得を目指すのがおすすめになります。

サーバーの設計構築であればLinuCレベル2の取得

サーバーの設計構築作業を行うのにはLinuCレベル2の取得が最適です。サーバーエンジニアで設計構築を行うためにLinuCレベル2の取得を目指すのがおすすめだといえます。

LinuCの各試験の受験料・出題形式・受験時間等について

LinuCの各レベルの試験はそれぞれ共通の受験料・出題形式・受験時間になっています。詳しい詳細を表にまとめました。

受験料1試験あたり16,500円(税込)
解答時間90分(※)
※試験後の簡単なアンケートに5分の時間を要しますので、試験問題を解く時間は実質「85分」です。
出題される問題数約60問
出題形式試験方式はコンピュータベーストテスト(CBT)です。マウスによる選択方式がほとんどですが、キーボード入力問題も多少出題される場合があります。実技や面接はありません。
LinuCレベル1 試験概要 | Linux技術者認定試験 リナック | LPI-Japan
仮想環境を含むLinuxシステムの基本操作とシステム管理が行えるエンジニアであることを認定します。試験センターの他に自宅でも受験できます。受験費用は税込16,500円。
LinuCレベル2 試験概要 | Linux技術者認定試験 リナック | LPI-Japan
仮想環境を含むLinuxのシステム設計・ネットワーク構築において、アーキテクチャに基づいた設計、導入、問題解決ができるエンジニアであることを認定します。試験センターの他に自宅でも受験できます。受験費用は税込16,500円。
LinuCレベル3 300 Mixed Environment 試験概要 | Linux技術者認定試験 リナック | LPI-Japan
LinuCは、クラウド・DX時代に活躍するエンジニアに求められるLinuxを中心とした技術や知識を身につけることができるLinux技術者認定試験。出題範囲に含まれる技術解説動画やサンプル問題、教科書ダウンロードなど、ITエンジニア向け学習コ...
LinuCレベル3 303 Security 試験概要 | Linux技術者認定試験 リナック | LPI-Japan
LinuCは、クラウド・DX時代に活躍するエンジニアに求められるLinuxを中心とした技術や知識を身につけることができるLinux技術者認定試験。出題範囲に含まれる技術解説動画やサンプル問題、教科書ダウンロードなど、ITエンジニア向け学習コ...
LinuCレベル3 304 Virtualization & High Availability 試験概要 | Linux技術者認定試験 リナック | LPI-Japan
LinuCは、クラウド・DX時代に活躍するエンジニアに求められるLinuxを中心とした技術や知識を身につけることができるLinux技術者認定試験。出題範囲に含まれる技術解説動画やサンプル問題、教科書ダウンロードなど、ITエンジニア向け学習コ...

LPICとLinuCの違い

LPICは、国際的にも知名度が高く、エンジニアであれば多くの人が認知・保有している資格になります。

対するLinuCは、LPICより後に作られた日本市場に最適化されているLPICに類似したLinuxの資格になります。実際のところ、LPICもLinuCもどちらも運営団体が異なるのみの違いがあり証明できる技術力に大きな違いはありません。

LPICとLinuCの違いは以下の記事でまとめています。

企業がエンジニアに対してLinuCを取得してもらうメリット

LinuC Awardで企業が保有している認定数をアピールすることができます。また、SESであれば取引先の企業に対して技術力のあるエンジニアを紹介することが可能です。

LPI-Japan、『LinuC Award 2024』を発表 LinuC(Linux技術者認定)エンジニアを輩出する優れた企業・団体を表彰!|IT資格といえばLPI-Japan | LinuC/OSS-DB/HTML5/OPCEL
LPI-Japan(エルピーアイジャパン)のプレスリリースご紹介ページです。
LinuC Award 2025 | Linux技術者認定試験 リナック | LPI-Japan
『LinuC Award 2025』とは、Linux技術者認定「LinuC(リナック)」を自社のエンジニア育成に活用している企業・団体を、組織内にて保有するLinuCの認定数ごとに表彰するものです。認定という第三者からの客観的な指標によるエ...

エンジニアがLinuCを取得するメリット

エンジニアがLinuCを取得するメリットは、自身のキャリアアップになることです。キャリアップのほかにも、Linuxの技術的理解ができるため、自身の技術力向上、作業効率のアップにつながります。

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