LinuCレベル1 101試験の出題範囲「1.01.5 デスクトップ環境の利用」についての解説をまとめました。
重要度 1 概要 X11のデスクトップ環境のシステムを利用できる。 詳細 ・X Window System の構成要素についての基本的な理解と知識
・startx, X サーバー, X クライアント, Display Manager, Window Manager, X Window System, 統合デスクトップ環境
・X11 環境でのGUIをローカルおよびリモートで起動する。
・xauth, DISPLAY, ターミナルプログラム

X Window Systemの概要
X Window Systemは、ネットワークを通じてGUIでの操作ができるシステムです。一般的にはXと呼ばれます。
X Window System の概要
X Window System は、一般に X と呼ばれる、ネットワークベースのグラフィカルウィンドウシステムです。X Window System は、クライアントサーバーアーキテクチャーを使用します。複数のプログラムでハードウェアの共通セットを共有およびアクセスできます。このハードウェアには、サーバーに接続されているマウス、キーボード、ビデオアダプタ、モニターなど、入力デバイスと表示デバイスの両方が含まれます。
X Window System は、X サーバーと X クライアントで構成されます。X クライアントは、ディスプレイへの直接アクセスを持たないアプリケーションプログラムです。ディスプレイを描画する X サーバーと通信します。
X アーキテクチャーでは、クライアントおよびサーバーが同じシステム上で、または異なるアーキテクチャーの異なるシステム上で動作できます。X アーキテクチャーは、クライアントサーバー通信用のストリームプロトコルを定義します。このプロトコルは、クライアントが別のマシン上のサーバーに接続できるように、ネットワークを介して公開できます。そのため、自分のノートパソコンで X サーバーが動作し、リモートシステムで動作している X クライアントによって表示が生成されるようにシステムを設定できます。
X サーバーとX クライアント
X Window Systemの構造や動作については以下のx.org公式サイトで確認ができます。X Window Systemはサーバー・クライアントの形で動作します。
startxとは
startxコマンドはXを起動するためのスクリプトを実行するコマンドです。
/etc/X11/xorg.confの概要
/etc/X11/xorg.confのセクションには次のようなものがあります。
DISPLAY変数
DISPLAY変数は、GUIの出力先を指定する変数です。ホストを省略してDISPLAY変数を設定すると、ローカル端末上(localhost上、X Window Systemの実行を指定した端末上)のディスプレイ番号のXサーバーが出力先となります。Xサーバーが1つしか存在しない場合はDISPLAY変数に0が指定されます。Xサーバーに複数のモニターが接続されている場合、モニター番号で出力先のモニターを指定することができます。
DISPLAY変数は以下のコマンドで確認します。
echo $DISPLAY
xhostコマンドの概要
「xhost」コマンドはXサーバへのアクセスを許可するために使用します。
xhost [[+|-]ホスト名 ...]
| オプション | 説明 |
|---|---|
| +ホスト名 | 指定したホストを許可リストに追加(+は省略可) |
| -ホスト名 | 指定したホストを許可リストから削除 |
| + | 許可リストに関係なく全てのアクセスを許可 (アクセス制御を無効にする) |
| – | 許可リストにあるホストのみ接続を許可 (アクセス制御を有効にする) |
xauthコマンドの概要
xauthコマンドはXサーバへの接続に使用される資格情報を表示したり、クライアント認証ファイルを編集するコマンドです。
xhostコマンドはホスト単位でXサーバへのアクセスを許可しますが、xauthコマンドはユーザ単位でXサーバへのアクセスを制限します。
