【IT資格】LinuCレベル2とは?LinuCレベル2の概要と合格する方法まとめ

IT資格

Linuxに関する資格であるLinuCレベル2についてまとめました。

  1. LinuCレベル2の概要
    1. 201試験と202試験に合格するとLinuCレベル2認定を受けられる
    2. そもそも前提条件としてLinuCレベル1認定を受けている必要がある
    3. LinuCレベル2認定の受験料
    4. 認定は合格した日から5年間有効
  2. Linuxを含んだOS環境を設計・構築できる技術を証明できる資格
  3. LinuCレベル2認定を受けたらどういうエンジニアだと言えるか
  4. 構築作業ができることを証明できる
  5. 設計業務に関わることができる
  6. RHCEではさらにAnsibleでの自動構築ができることを証明する
  7. LinuCレベル2の出題範囲はLinuCレベル1をある程度踏襲している
  8. LinuCレベル2を取得するには
    1. LinuCレベル2 201試験の内容と技術的な解説
      1. 「2.01:システムの起動とLinuxカーネル」の詳細と技術内容の解説
      2. 「2.02:ファイルシステムとストレージ管理」の詳細と技術内容の解説
      3. 「2.03:ネットワーク構成の詳細と技術内容の解説」の詳細と技術内容の解説
      4. 「2.04:システムの保守と運用管理」の詳細と技術内容の解説
      5. 「2.05:仮想化サーバー」の詳細と技術内容の解説
      6. 「2.06:コンテナ」の詳細と技術内容の解説
    2. 201試験に合格する方法
    3. LinuCレベル2 202試験の概要
      1. 「2.07:ネットワーククライアントの管理」の詳細と技術内容の解説
      2. 「2.08:ドメインネームサーバー」の詳細と技術内容の解説
      3. 「2.09:HTTPサーバーとプロキシサーバー」の詳細と技術内容の解説
      4. 「2.10:電子メールサービス」の詳細と技術内容の解説
      5. 「2.11:ファイル共有サービス」の詳細と技術内容の解説
      6. 「2.12:システムのセキュリティ」の詳細と技術内容の解説
      7. 「2.13:システムアーキテクチャ」の詳細と技術内容の解説
    4. 202試験に合格する方法
  9. LinuCレベル2 201試験、202試験どちらにも合格した体験記
  10. LinuCレベル3への挑戦
  11. LinuCレベル3のうち、300、303、304のどれから受験するか
  12. 300を受験するメリット
  13. 303を受験するメリット
  14. 304を受験するメリット
  15. LinuCレベル2の有効期限を保つためにLinuCレベル3を受験する
  16. Ansibleの理解とRHCEの挑戦
  17. まとめ

LinuCレベル2の概要

LinuCレベル2はLinuxの設計・構築に関する業務の民間資格です。

LinuCレベル2 試験概要 | Linux技術者認定試験 リナック | LPI-Japan
仮想環境を含むLinuxのシステム設計・ネットワーク構築において、アーキテクチャに基づいた設計、導入、問題解決ができるエンジニアであることを認定します。試験センターの他に自宅でも受験できます。受験費用は税込16,500円。

LinuCレベル1は運用に関するスキルを証明出来る資格ですが、レベル2は設計と構築に関するスキルを証明できるため、LinuCレベル2に合格すれば上流の工程での業務が対応できるようになります。

201試験と202試験に合格するとLinuCレベル2認定を受けられる

LinuCレベル2認定を受けるには201試験と202試験に合格する必要があります。

そもそも前提条件としてLinuCレベル1認定を受けている必要がある

LinuCレベル2の201試験202試験を受験するのに条件はなく誰でも受験自体はできますが、LinuCレベル2認定を取得するにはLinuCレベル1認定を取得している必要があります。

LinuCレベル2認定の受験料

201試験、202試験共に1試験あたり15,000円(税込16,500円)がかかります。2試験に合格するには最低でも30,000円(税込33,000円)が必要です。

また、LinuCレベル2認定はLinuCレベル1認定を受けていなければ201試験、202試験の二つの試験に合格してもLinuCレベル2認定を受けることができません。

LinuCレベル1認定は101試験、102試験の合格が必要で、各試験あたり15,000円(税込16,500円)の費用が必要です。

認定は合格した日から5年間有効

LinuCレベル2認定は合格してから5年間は有効です。LinuCレベル2認定に合格すると、LinuCレベル1認定の有効期限もLinuCレベル2認定の有効期限に合わせて更新されます。LinuCレベル2認定を更新するにはLinuCレベル2認定が有効になっている期間中に201試験、202試験を再度受験し合格する必要があります。

もしくは、LinuCレベル3認定を受ければLinuCレベル1認定、LinuCレベル2認定も同時に更新されるので、LinuCレベル3 300, 303, 304の3試験のうちいずれかの試験に合格すればLinuCレベル2認定が更新されます。

Linuxを含んだOS環境を設計・構築できる技術を証明できる資格

LinuCレベル1は運用に関する技術を証明できる資格でしたが、LinuCレベル2はOSの設計・構築作業に関する技術を証明できます。ウォーターフォールの開発において、基本設計・詳細設計から携わることができます。

LinuCレベル2認定を受けたらどういうエンジニアだと言えるか

LinuCレベル2を実際に取得するとどんなエンジニアだと言えるかについて紹介します。

構築作業ができることを証明できる

LinuCレベル2認定を受けたら、エンジニアの中でも相当Linuxに詳しい部類に入ります。運用ではなく上流工程であるOSの設計や構築作業が問題なくこなせる人材だと言えます。

設計業務に関わることができる

Linuxサーバーの設計に関する業務に関わることができます。

Linuxサーバーの設計業務は、具体的にはLinuxのパラメータを設計したり、Linuxに関する設計を具体的に決めることができる立場のエンジニアのことを指します。

RHCEではさらにAnsibleでの自動構築ができることを証明する

構築作業をする際には、Ansibleを使うことも多くあります。LinuCレベル2でOSの設計・構築作業に関する概要を理解したら、RHCEを取得することでさらにAnsibleに関する技術的理解を深めることができます。

RHCEはLinuCを主催しているLPI-Japanではなく、Red Hat Enterprise Linuxを提供しているRed Hat社が提供しているRed Hat社の認定資格です。

LinuCレベル2の出題範囲はLinuCレベル1をある程度踏襲している

次の見出しでLinuCレベル2 201試験、202試験の出題範囲に指定されている技術について詳細を解説しますが、特にLinuCレベル2 201試験はLinuCレベル1で出題される技術内容をかなり踏襲しています。

LinuCレベル2を取得するには

LinuCレベル1では、Linuxの構造や、基本的な操作に関する出題が多数でしたが、レベル2ではより深いLinuxの構造の理解が求められます。

LinuCレベル1同様、実際にLinuxを操作しつつ、より深くLinuxについて理解していきます。

LinuCレベル2の合格におすすめの教材はLinuC公式サイトに記載されています。

LPI-Japan認定教材 | IT資格といえば LinuC | Linux技術者認定試験 リナック | LPI-Japan
LPI-Japan認定教材のご案内です。

LinuCレベル2 201試験の内容と技術的な解説

201の試験範囲は以下の通りです。

LinuCレベル2 201試験 出題範囲 | LPI-Japan
仮想環境を含むLinuxのシステム設計・ネットワーク構築において、アーキテクチャに基づいた設計、導入、問題解決ができるエンジニアであることを認定します。試験センターの他に自宅でも受験できます。受験費用は税込16,500円。

2.01:システムの起動とLinuxカーネル

  • 2.01.1ブートプロセスとGRUB
  • 2.01.2システム起動のカスタマイズ
  • 2.01.3Linux カーネルの構成要素
  • 2.01.4Linuxカーネルのコンパイル
  • 2.01.5カーネル実行時における管理とトラブルシューティング

2.02:ファイルシステムとストレージ管理

  • 2.02.1ファイルシステムの設定とマウント
  • 2.02.2ファイルシステムの管理
  • 2.02.3論理ボリュームマネージャの設定と管理

2.03:ネットワーク構成

  • 2.03.1基本的なネットワーク構成
  • 2.03.2高度なネットワーク構成
  • 2.03.3ネットワークの問題解決

2.04:システムの保守と運用管理

  • 2.04.1makeによるソースコードからのビルドとインストール
  • 2.04.2バックアップとリストア
  • 2.04.3ユーザへの通知
  • 2.04.4リソース使用状況の把握
  • 2.04.5死活監視、リソース監視、運用監視ツール
  • 2.04.6システム構成ツール

2.05:仮想化サーバー

  • 2.05.1仮想マシンの仕組みとKVM
  • 2.05.2仮想マシンの作成と管理

2.06:コンテナ

  • 2.06.1コンテナの仕組み
  • 2.06.2Dockerコンテナとコンテナイメージの管理

OSI参照モデルのL1〜L3までが主な出題範囲となります。具体的にはLinuxを操作可能な状態にして、必要な設定を入れておく、ぐらいの業務が担当可能になるレベルです。

201試験の範囲は、インフラエンジニアとして稼働する場合OSチームが担当する業務が問題なくこなせるレベルだと言えます。ミドルウェアをインストールする前までの業務がスタンドアローンで(自分1人で)問題なく遂行可能であることの証明が可能です。

人材採用を検討されている方は201試験に合格していれば、構築作業自体が問題なく出来ると判断してよいでしょう。

実務でOSの環境構築後に実施するミドルウェアの導入と設定に関する出題は202試験の範囲になります。

「2.01:システムの起動とLinuxカーネル」の詳細と技術内容の解説

「2.02:ファイルシステムとストレージ管理」の詳細と技術内容の解説

「2.03:ネットワーク構成の詳細と技術内容の解説」の詳細と技術内容の解説

「2.04:システムの保守と運用管理」の詳細と技術内容の解説

「2.05:仮想化サーバー」の詳細と技術内容の解説

「2.06:コンテナ」の詳細と技術内容の解説

201試験に合格する方法

201試験に合格するには、テキストベースで論理的にLinuxを理解しておくこともさることながら、実際にLinuxをインストールして操作可能な状態にし、confファイルなどに設定を記載してLinuxの動作を確認しておくことが望ましいです。

出題範囲のLinuxの操作方法に関しては別記事にまとめます。現時点で記事は作成中です。

LinuCレベル2 202試験の概要

LinuCレベル2 202試験の試験範囲は以下です。

LinuCレベル2 202試験 出題範囲 | LPI-Japan
仮想環境を含むLinuxのシステム設計・ネットワーク構築において、アーキテクチャに基づいた設計、導入、問題解決ができるエンジニアであることを認定します。試験センターの他に自宅でも受験できます。受験費用は税込16,500円。

2.07:ネットワーククライアントの管理

  • 2.07.1DHCPサーバーの設定と管理
  • 2.07.2PAM認証
  • 2.07.3LDAPクライアントの利用方法
  • 2.07.4OpenLDAPサーバーの設定

2.08:ドメインネームサーバー

  • 2.08.1BINDの設定と管理
  • 2.08.2ゾーン情報の管理
  • 2.08.3セキュアなDNSサーバーの実現

2.09:HTTPサーバーとプロキシサーバー

  • 2.09.1Apache HTTPサーバーの設定と管理
  • 2.09.2OpenSSLとHTTPSの設定
  • 2.09.3nginxの設定と管理
  • 2.09.4Squidの設定と管理

2.10:電子メールサービス

  • 2.10.1Postfixの設定と管理
  • 2.10.2Dovecotの設定と管理

2.11:ファイル共有サービス

  • 2.11.1Sambaの設定と管理
  • 2.11.2NFSサーバーの設定と管理

2.12:システムのセキュリティ

  • 2.12.1iptables や firewalld によるパケットフィルタリング
  • 2.12.2OpenSSH サーバーの設定と管理
  • 2.12.3OpenVPNの設定と管理
  • 2.12.4セキュリティ業務

2.13:システムアーキテクチャ

  • 2.13.1高可用システムの実現方式
  • 2.13.2キャパシティプランニングとスケーラビリティの確保
  • 2.13.3クラウドサービス上のシステム構成
  • 2.13.4典型的なシステムアーキテクチャ

202試験の内容はOSの環境構築時、もしくはOS観点での構築作業完了後にミドルウェアに関する設定を行うと言った内容になっています。

実務ではApache(アパッチ)やメールに関する要件や設定等はOSチームではなくアプリチームが行うのが一般的です。

その他、OS構築に関する項目も含まれているため、実務で必要なスキルが身につく試験内容になっています。

201試験同様に202試験についてもテキストベースでの学習のみならず、Linuxの実機でどのような処理が行われるのか確認しておくことが望ましいです。

「2.07:ネットワーククライアントの管理」の詳細と技術内容の解説

「2.08:ドメインネームサーバー」の詳細と技術内容の解説

「2.09:HTTPサーバーとプロキシサーバー」の詳細と技術内容の解説

「2.10:電子メールサービス」の詳細と技術内容の解説

「2.11:ファイル共有サービス」の詳細と技術内容の解説

「2.12:システムのセキュリティ」の詳細と技術内容の解説

「2.13:システムアーキテクチャ」の詳細と技術内容の解説

202試験に合格する方法

202試験はLinuCの中でも最も難易度が高いと言われており、筆者も202試験に合格してはいますが、学習範囲も広く、深く、学んだと記憶しています。実機を操作するのも重要ですが、試験の特性上テキストの読み込みも重要だと言える試験です。LinuCレベル2 202の試験範囲を参照し、試験範囲の知識を深く身につけましょう。以下LinuC公式サイトの例題の問題文、解答、解説、解説に記載されているURLの全てに目を通して暗記しておきましょう。

LinuCレベル2 201試験、202試験どちらにも合格した体験記

以下の記事でLinuCレベル1認定を取得した状態で201試験、202試験のどちらにも合格し、LinuCレベル2を取得した合格体験記についてまとめています。

LinuCレベル3への挑戦

LinuCレベル3各試験はLinuCレベル2認定の内容を深掘りして、かつ、学習する技術の量を若干増やした試験というのがLinuCレベル3各試験に合格している筆者の感想です。

LinuCレベル2認定を受けたら、次回の更新時にLinuCレベル3を受験するか、LinuCレベル3に続けて挑戦するか、それとも有効期限がきたら再度201試験、202試験を受験するか、になると思いますが、おすすめはLinuCレベル3 300試験を受けてLinuCレベル3認定を受けておくことです。

理由は、LinuCレベル3 各試験はLinuCレベル2を深掘りした試験であることから、LinuCレベル2認定の学習内容に関する記憶が定着しているうちに受験しておいた方が良いこと、LinuCレベル3認定を受けていれば次回更新時にLinuCレベル2認定を受けるために201、202と2試験を受けなくても良くなること、LinuCレベル3認定を受けていることを業務でアピールができること、Linuxの環境構築時はWindowsとの混合環境が多いこと(LinuCレベル3 300はWindowsとLinuxの混合環境に関する試験)などがあります。

LinuCレベル3のうち、300、303、304のどれから受験するか

LinuCレベル3には、300、303、304の3種類があります。300はWIndowsとの混合環境、303はセキュリティ、304は仮想環境と可用性です。

300、303、304どの分野もLinuxのサーバーを運用していく上では深く理解しておくのがおすすめの分野になります。300、303、304どの分野を一つだけ選ぶかとすれば、前述の通り、300が無難ではあります。理由は多くのサーバー環境でWindows ServerとLinuxを併用して使用するためです。

とはいっても、303が気になる人や、304が気になる人もいると思います。筆者は300、303、304すべてに合格しているため、300、303、304すべてに合格した観点から、どの試験がどのようにおすすめかを述べます。

300を受験するメリット

LinuCレベル3 300を受験するメリットは、WindowsとLinuxの混合環境に関する理解を深めることができる点です。多くの大規模サーバーでは、Windows ServerとLinuxの両方のOSがサーバー上にインストールされています。もちろん、Windows ServerとLinuxで用途が異なるためです。

300を受験することで、LinuxだけでなくWindowsに関する技術的な理解も深まるため、300を受験することで多くの大規模サーバーで採用されているWindowsの理解を深めることができます。

303を受験するメリット

303はセキュリティに関する技術を問われる資格です。セキュリティ分野は、ネットワークの技術に対する理解も必須です。303に合格することでセキュリティとネットワークに関する技術的理解が深まります。

304を受験するメリット

304は仮想化技術と可用性に関する試験内容になっています。

多くの対規模サーバーでは、1台のサーバーで複数のOSを起動させている仮想環境での操作になります。304を受験することで、Linuxを使用している大規模サーバーの設計構築運用など様々な業務に貢献することができる技術力を証明することができます。

LinuCレベル2の有効期限を保つためにLinuCレベル3を受験する

LinuCレベル3の内容はLinuCレベル2を深堀した内容です。

LinuCレベル2を維持するためにLinuCレベル3を受験するのもおすすめです。

Ansibleの理解とRHCEの挑戦

構築作業をする現場ではAnsibleを使うこともあります。Red Hatの認定資格RHCEでは、Ansibleを使う技術を証明できる資格です。設計・構築の技術を理解したら、Red Hatに関する理解も進めておくのがおすすめです。

まとめ

LinuCレベル2認定はLinuxの設計・構築に関する業務のスキルを証明する資格です。運用よりも高度な知識が必要となる業務に関するスキルを証明出来るので、高度なスキルが必要な業務に関わりたい人におすすめの資格です。

本資格の取得にはテキストで学習することもさることながら、実際にLinuxを操作して学習することも必要です。

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