Linuxでファイル名・ディレクトリ名を変更したり、ファイル・ディレクトリを移動させることができるコマンドmvコマンドの使い方をまとめました。
mvは「move（ムーブ、移動などを日本語で意味）」の略
mvコマンドのmvはmoveを意味します。ファイルやディレクトリを移動したり名前を変更するために使用するのが今回紹介するmvコマンドです。
mvコマンドできること
mvコマンドでは以下のことができます。
- ファイル名の変更
- ディレクトリ名の変更
- ファイルの移動
- ディレクトリの移動
mvコマンドの構文
mvコマンドは以下の形式で使用します。ファイル名もディレクトリ名も、変更する際に特にオプションは必要なく、mvコマンドの後ろに変更する前のファイル名もしくはディレクトリ名を入力し、入力してファイル名もしくはディレクトリ名を変更したいファイル名もしくはディレクトリ名に指定します。
mv [オプション] <変更前のファイル名/ディレクトリ名> <変更後のファイル名/ディレクトリ名>mvコマンドのオプション
オプションとして指定できるmvコマンドの主なオプションは以下です。
| オプション | オプション（省略なし） | 説明 |
| -f | –force | 移動先に同名のファイルがあっても確認せず強制的に上書きする |
| -i | –interactive | 移動先に同名のファイルがある場合、上書き前に確認する |
| -n | –no-clobber | 移動先に同名のファイルがある場合、既存のファイルを上書きしない |
| -u | –update | 移動先にある同名のファイルのタイムスタンプが移動元のファイル名と同じ日時、もしくはその日時より新しい場合は移動しない |
| -t <ディレクトリ名> | –target-directory=<ディレクトリ名> | <ディレクトリ名>に指定したディレクトリ配下にファイルを移動する |
| -b | –backup=方法 | 上書きされるファイルのバックアップを作成する |
| -S | –suffix=接尾辞 | バックアップファイルを作成する際、ファイル名末尾に付ける文字を設定する。 本オプションは環境変数「SIMPLE_BACKUP_SUFFIX」に従う |
| -v | –verbose | コマンド実行後のコマンド処理状況を表示する |
-t <ディレクトリ>オプションを使用したmvコマンド実行例
mvコマンドに-t <ディレクトリ名>オプションをして実行すると、指定したファイルを-t <ディレクトリ名>で指定したディレクトリ配下に移動します。
[root@RHEL100 ~]# mv -t /tmp test1
[root@RHEL100 ~]# ls -la /tmp
（中略）
-rw-r--r-- 1 root root 0 12月 3 22:08 test1-vオプションの使用例
-vオプションを指定してmvコマンドをRed Hat Enterprise Linux 10.0で実行した実行例は以下です。
[root@RHEL100 ~]# touch test3
[root@RHEL100 ~]#
[root@RHEL100 ~]#
[root@RHEL100 ~]# mv -t /tmp -v test3
renamed 'test3' -> '/tmp/test3'
[root@RHEL100 ~]#–backupオプションを指定してmvコマンドを実行した例
Red Hat Enterprise Linux 10.0で–backupオプションを指定してmvコマンドを実行した実行例は以下です。
[root@RHEL100 ~]# mv -t /tmp --backup=numbered test2
mv: '/tmp/test2' を上書きしますか? y
[root@RHEL100 ~]#
[root@RHEL100 ~]# ls -la /tmp
（中略）
-rw-r--r-- 1 root root 0 12月 3 22:13 test2
-rw-r--r-- 1 root root 0 12月 3 22:13 test2.~1~
