NECが提供しているCluster Proの概要をまとめました。
Cluster Proの概要まとめ
Cluster Proは日本国内で最も使われているサーバー冗長化ソフトです。
2023年度時点でCluster Proは日本で最も使われている冗長化ソフトであることがCluster Pro公式サイトに掲載されています。
CLUSTERPRO(クラスタープロ)は、システムの障害を監視し、障害発生時には健全なサーバーに業務を引継ぐことで、高可用性を実現する、国内シェアNo.1の実績を誇るHAクラスタリングソフトウェアです。

サーバーを冗長化させることで、複数のサーバーを束ね、どれかのサーバーが障害でダウンしてしまってもサーバーの機能には問題がないように設定することができます。
冗長化とは
1台のサーバーだけでシステムを運用していると、サーバーに障害が起きたときにシステムそのものがダウンしてしまいます。複数台のサーバーを一つに束ねて、どれか一つのサーバーが機能しなくても、残っているサーバーで問題なくシステムが動作するようにしておくことを指します。
Cluster Proは、複数のサーバーを冗長化させることができるソフト(ミドルウェア)です。
高可用性(HA:High Availability)に対応した環境を構築できる
障害に対して耐性をつけるため、サーバーを冗長化させることで高い可用性を実現することができます。

可用性はサーバーが停止することなく稼働し続けることができることを指します。
可用性(Availability)とは、システムを障害(機器やパーツの故障・災害・アクシデントなど)で停止させることなく稼働し続けること、またはその指標のことをいいます。
長い時間、システムを稼働し続けられることを高可用性(High Availability)ともいいます。
Cluster Proではフェイルオーバーができる
以下はCluster Pro Xの紹介ページに記載してある内容の引用ですが、Cluster Pro製品ではフェイルオーバーが可能です。フェイルオーバーは、2台以上の複数のサーバーを冗長化(組み合わせて)し、1台のサーバーに障害が出ても他のサーバーに機能を引き継がせることでシステム全体に影響が及ばないようにする機能のことです。
デフォルトの設定では、障害検出から待機系がフローティングIPアドレスを引き継ぐまで、大体1分前後で完了します。また、障害検出から障害と断定するまでの内部リトライ回数およびタイムアウト時間を調整することにより、最短10秒未満でフェールオーバーすることが可能です。
VMware ESXiなどのハイパーバイザーと組み合わせて使用が可能
ハイパーバイザー上に立ち上げた複数の仮想マシンに対してCluster Proを使うことで複数の仮想マシンを冗長化させ、可用性を向上させることができます。
以下はvSphere上でのCluster Proの公式ガイドです。
https://jpn.nec.com/clusterpro/clpx/doc/guide/HOWTO_vSphere_8.x_12.pdf
Cluster Proで冗長構成を構築する
Cluster Proでサーバーを冗長化させるには、冗長化させたいサーバーすべてに対してCluster Proをインストールしてサーバーを冗長化させます。
冗長化しているサーバーがそれぞれネットワークでつながっていないと冗長化させることができないため、ルーティング設定を追加するなどしてネットワークでの接続ができている状態で冗長構成を組みます。
CLUSTERPRO Xの構築
試用版ライセンスには申し込みが必要ということもあり、当サイトでは現状検証を行うことができないため、以下のNEC公式資料を参考に構築を行います。
Cluster Proの利用にはライセンスが必要
Cluster Proは使用するためにNECに連絡してラインセスを購入する必要があります。
ClusterPro Xの試用版を使ってみる
以下のNEC公式のCluster Pro公式サイトにアクセスします。
試用版ご利用開始までの流れ という項目に以下の記載があります。
- 試用版ライセンスキーを申し込みフォームよりお申し込み
- 試用版をダウンロード
- 試用版ライセンスキーがメールにて返送される
- CLUSTERPRO X システム構築ガイドに従ってクラスターシステムを構築
試用版についてもライセンスキーを申し込む必要があります。
なお、ライセンスキーについては以下のように案内があります。
- 試用版ライセンスキーは、ご返送までに3~4営業日ほどお時間をいただいておりますので、試用開始まで余裕を持ってお申し込みください。
- 即日発行は致しておりませんのでご注意ください。
- ライセンスキーはZIP形式で送付いたします。ZIP形式を受信できない方はご依頼時にその旨記載してください。
Cluster Proの認定資格
Cluster ProはNECが認定資格を提供しています。
CLUSTERPRO技術認定制度とは、CLUSTERPROを提案・構築する上での、必要な知識・技術を習得していただくための技術認定制度です。
(中略)
技術認定制度の対象者
CLUSTERPRO技術認定制度は、既にCLUSTERPROをお取り扱いいただいている、またはお取り扱いを予定されている NEC販売店・パートナー・BluStellar 共創パートナープログラム / ハイブリッドクラウド(CLUSTERPRO)(以下、共創パートナープログラム(CLUSTERPRO))・NECグループ各社営業/SEやエンドユーザーの方が対象です。
詳細は上記URLの公式サイトから確認できます。
認定の取得はPearson VueではなくNECのポータルサイトから行います。
技術認定を取得するには
認定の取得には、技術研修の受講と、技術研修を受講いただいた後に行う認定試験
(技術研修受講日の翌日以降に NEC 技術認定ポータルサイトで受験)の合格が必要です。■受験までの流れ
- 1.技術研修受講後、「NEC 技術認定制度 ポータルサイトパスワード設定のお願い」のメールが届きます。
- 2.初めて利用する方 *1 は、メールをご確認いただき、パスワードの登録を設定してください。
パスワードを設定することで、認定試験の受験、受講資料の入手にご利用いただけます。- 3.パスワード設定後、以下のメールを受信後に試験を受験ください。
メールタイトル:「NEC 技術認定制度 コースのご案内」- 4.合格された方は、認定者申請フォームのURLがメールで通知されます。
必要事項のご登録が完了すると、事務局より認定IDを発行いたします。認定証は、後日 事務局より発送いたします。*1 すでにアカウントをお持ちの方は 3. のみのメール送信となります。
まとめ
クラスタープロはNECが提供しているサーバーの冗長化ソフトです。大規模なデータセンターのサーバーや仮想化しているサーバーの障害耐性を高めるために使用するソフトです。試用版を使うにはNECに連絡して試用版ライセンスを取得する必要があります。