RAC構成についての概要をまとめました。
RAC構成とは
RAC構成のRACはReal Application Clusters(リアル アプリケーション クラスターズ)の頭文字です。
RAC構成は「ラックこうせい」と読みます。
複数のインスタンス(サーバー)から一つのデータベースに接続されている構成のことです。
RAC構成を図で表現
RAC構成を図で表現すると以下のようになります。
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RAC構成のメリット
RAC構成には次のメリットがあります。
- Shared Everythingアーキテクチャである
- 可用性の向上
- スケーラビリティの向上
Shared Everythingアーキテクチャ
Oracle Database 19cのOracle公式ドキュメントには以下の記載があります。
Shared Everything
すべてのインスタンスによってすべてのデータへのアクセスが共有されるデータベースのアーキテクチャ。
インスタンスについては以下のように説明されています。
インスタンス
Oracle RACデータベースの場合、クラスタ内の各ノードには、通常、データベースを参照する実行中のOracleソフトウェアのインスタンスが1つ存在します。データベースが起動されると、Oracle Databaseによってシステム・グローバル領域(SGA)と呼ばれるメモリー領域が割り当てられ、1つ以上のOracle Databaseプロセスが起動されます。このSGAとOracle Databaseプロセスの組合せはインスタンスと呼ばれます。各インスタンスには、一意のOracleシステム識別子(SID)、インスタンス名、ロールバック・セグメントおよびスレッドIDが割り当てられます。
可用性の向上
RAC構成は複数のインスタンスから一つのデータベースにアクセスできるため、可用性が向上します。
高可用性
冗長コンポーネントを搭載したシステムであり、ハードウェアまたはソフトウェア障害が発生した場合でも一貫性があり中断されないサービスを提供します。ある程度の冗長性を含みます。
スケーラビリティの向上
サーバーの台数を増やす(スケールアウト。サーバーの台数を増やすことをスケールアップではなくスケールアウトと専門用語で表現する)などによって処理能力を上げることができます。
スケーラビリティ
Oracle RACアプリケーションにノードを追加し、大幅なスケールアップおよびスピードアップを実現する機能です。