以下のコマンドでrpmパッケージのアップグレードを行う際に、カーネルのバージョンをアップグレードしないようにする方法と設定を行う作業証跡をまとめて紹介します。
yum/dnfコマンドでRPMパッケージをデートする方法
以下のコマンドを実行してRed Hat系のLinuxにインストールされているRPMパッケージ全てを最新版にアップデートすることができますが、カーネルだけはアップデートされることをふさぐ方法を解説していきます。
yum update
dnf update
コマンドのオプションでカーネルのアップデートを回避する
以下のRed Hat公式記事を参考にします。

掲載されているように、以下のコマンドを実行することでカーネル以外のRPMパッケージがアップデートされます。
# yum update --exclude=kernel*
/etc/dnf/dnf.confにexcludepkgsパラメータを設定する
RHEL9.6デフォルトでは/etc/dnf/dnf.confに以下の内容が記載されています。
[user@RHEL96 ~]$ cat /etc/dnf/dnf.conf
[main]
gpgcheck=1
installonly_limit=3
clean_requirements_on_remove=True
best=True
skip_if_unavailable=False
このファイルの[main]配下にexcludepkgs=kernel*パラメータもしくはexclude=kernel*パラメータを記載します。後述しますがexcludepkgsのほうが新しく、今後のためにも設定する場合は「excludepkgs」をパラメータとして設定するのがおすすめです。
excludepkgs オプションを使用すると、DNF 操作からパッケージを除外するように DNF を設定できます。excludepkgs は、/etc/dnf/dnf.conf ファイルの [main] またはリポジトリーセクションで定義できます。
[main]に記載できる他のパラメータは以下の記事でまとめられています。
excludepkgsとexcludeの違い
excludepkgsとexcludeの違いはdnfのバージョン1とバージョン2での差分です。
Due to a better compatibility with YUM, configuration options
includeandexcludewere replaced by the original options includepkgs and excludepkgs.YUM との互換性が向上したため、構成オプションincludeとがexclude 元のオプションのincludepkgsと excludepkgsに置き換えられました。(Google Chromeでの翻訳)
excludepkgs=kernel*パラメータを無視してカーネルをアップデートするには
--disableexcludes オプションをつけてyum/dnfでupdateサブコマンドを実行すると、dnf.confに記載してあるexcludepkgsパラメータを無視してRPMパッケージのアップデートを実施します。
注記
--disableexcludesオプションを使用すると、設定済みパッケージを操作から除外することを一時的に無効にできます。
実行するコマンドは以下です。
yum update --disableexcludes
dnf update --disableexcludes
