Androidに搭載されるSoCの概要をまとめました。
SoCとは
SoC(System on a Chip)は、CPU・GPU・メモリコントローラー・AIプロセッサなどを1つのチップに統合した部品です。スマートフォンではSoCの性能がそのまま「端末の速さ」「ゲームやカメラの処理性能」「AI処理能力」「発熱」「電池持ち」などを決定づけます。
Androidで使われる主要SoCブランド
Androidで使われる主要なSoCのブランドを紹介します。
Qualcomm Snapdragon(スナップドラゴン)
Qualcomm(クアルコム)が提供しているSnapdragon(スナップドラゴン)はAndroidに搭載されている主要なSoCです。
SnapdragonはAndroidで最も広く使われているSoCブランドでもあります。特徴は性能・安定性・互換性に優れることです。
Google Tensor(Pixel専用)
Google Pixelシリーズ専用に設計されたカスタムSoC。Tensor G3(Pixel 8シリーズ)Tensor G2(Pixel 7)Tensor(初代Pixel 6)特徴:AI処理・カメラ補正処理に特化した設計。演算性能はSnapdragonに劣るが、Pixelの統合設計で強みを発揮。
Androidの動作の快適さを決めるのはSoCだけじゃない
スマートフォンの性能を語るとき、ついSoC(SnapdragonやDimensityなど)ばかり注目されがちです。しかし、実際にはSoCだけでスマホの快適さは決まりません。
アプリの起動や切り替えがスムーズかどうか、ゲームが途中でカクつかないか、数年使っても快適かどうかには、メモリ(RAM)やストレージ(ROM)も密接に関わっています。
メモリ(RAM)が影響すること
アプリの同時起動とバックグラウンド保持
RAMが多いほど、複数のアプリを同時に開いても動作が重くなりにくくなります。RAMが少ないと、アプリを切り替えたときに再読み込みが発生しやすくなるため、体感速度が低下します。
RAM容量 | 用途目安 |
---|---|
4GB | 最低限の使い方(通話、LINEなど) |
6GB | 標準的な使い方(SNS、動画視聴) |
8GB〜12GB | ゲーム・マルチタスク・長期間の快適利用 |
メモリ不足はSoCがよくても足を引っ張る
たとえば、Snapdragon 8 Gen 2 を搭載していても、メモリが4GBしかなければ性能を活かしきれません。SoCがハイエンドでも、RAM不足で処理落ちやアプリ強制終了が起きることもあります。
ストレージ(ROM)も重要
アプリの読み込み速度はストレージ次第
アプリの起動やゲームのロード時間に関わるのが、ストレージ(内部容量・ROM)です。特に最近のスマホではUFS(Universal Flash Storage)という規格のバージョンがパフォーマンスに影響します。
ストレージ規格 | 特徴 |
---|---|
eMMC | 安価だが遅い(旧型) |
UFS 2.1 | 普及タイプ、標準的な速度 |
UFS 3.1 / 4.0 | 高速読み書き、上位モデル向け |
UFS 4.0 は2023年以降のハイエンドモデルに搭載されており、アプリの起動・ゲームの読み込みが非常に高速です。
つまり、SoC・RAM・ストレージの3つがバランス重要
スマートフォンの性能=SoC+RAM+ストレージのトータルバランスです。
性能だけでなく、「長く快適に使えるかどうか」を左右するのは、むしろメモリやストレージのほうだったりします。ハイエンドSoCを搭載していても、RAM4GB、eMMCストレージでは本来のパフォーマンスが出ません。