テスラ社のImpact Report 2024からみたテスラの電気自動車の環境に対する影響 - ガジェットノート

テスラ社のImpact Report 2024からみたテスラの電気自動車の環境に対する影響

テスラの電気自動車をはじめとする電気自動車は環境への負荷がガソリンの車と比較して少ない傾向にあるといわれています。実際にテスラの電気自動車を例に、環境への影響を考察してみます。

テスラの環境に対する取り組み

テスラの活動によって環境に与えている影響は以下のテスラ公式サイトを参考にします。

https://www.tesla.com/ja_jp/impact

上記のサイトによると、以下のように記載があります。

私たちのミッションは世界の持続可能なエネルギーへの移行を加速させることです。2024年では、Tesla製品を使用されるお客様が削減した量は二酸化炭素相当量(CO2e)で換算すると3200万トン近くに及びます。

以下のPDFでより詳細を確認していきます。

https://www.tesla.com/ns_videos/2024-extended-version-tesla-impact-report.pdf

テスラの電気自動車と環境影響について考えるべき要素

テスラの電気自動車がどのように環境に影響を与えるかを考える際に考慮したい要素は以下です。

  • バッテリーなど、電気自動車1台を製造するのにかかる環境影響
  • 電気自動車を充電するためのエネルギーの生成時の環境影響

前提として電気自動車は走ることによって二酸化炭素を発生させない、ゼロエミッション

電気自動車は走行時にCO₂を排出しないため、「ゼロエミッション」として扱われます。エンジンの搭載されているガソリン車に比べて、電気自動車は走っている最中に二酸化炭素を排出しません。

電気自動車の電力を何で作っているか

電気自動車を走らせることによって発生する二酸化炭素は、自動車が走っている時ではなく電気をどこから得ているかによって環境への影響が異なります。例えば、火力発電(特に石炭)に頼っている地域では、EVに使われる電気自体が高いCO₂を排出することになるため、エコとはいいにくくなります。

テスラは、バッテリーの一部を電源を太陽光によって提供しています。

バッテリーは電力網にとって不可欠な信頼性と安定性を提供します

バッテリーは、需要が高い時間帯に使用するための余剰な再生可能エネルギーを蓄えることで、電力網の信頼性と安定性を向上させます。

たとえば、太陽光発電の比率が高いカリフォルニアでは、昼間に太陽光で発電した電気をバッテリーに蓄え、夜間の発電量が減少して電力需要が増加する時間帯に放電するという仕組みです。

2024年4月30日午後7時から10時の間、バッテリーはカリフォルニアの電力の5分の1以上を供給しました。
テスラはカリフォルニアに10GWh超の産業用エネルギー貯蔵製品を導入しており、これは同州の全バッテリー供給量の約3分の1に相当します。

テスラ車のバッテリー製造は環境に優しいのか?

通常、電気自動車のエネルギー源であるリチウムイオンバッテリーの製造には、非常に多くのエネルギーと資源(リチウム、コバルト、ニッケルなど)が必要です。これらの資源は環境破壊をする可能性があるという問題を抱えています。

テスラの電気自動車はこれらの問題についても、課題解決に取り組んでいるものと思われます。以下、2024年のTeslaのImpact Reportから内容を抜粋します。ChatGPTで翻訳しました。

https://www.tesla.com/ns_videos/2024-extended-version-tesla-impact-report.pdf

2024年、私たちのセル製造プロセスにおけるエネルギー使用による温室効果ガス(GHG)排出量は、ニッケルリッチセル製造における業界ベンチマークと比較して64%少なくなりました。この削減は、乾式アノード製造技術によるエネルギー使用の低減と、テキサス州ギガファクトリーにおけるGHG排出の少ない電力の利用によって実現しています。このデータは2024年の実運用に基づいています。

私たちは、将来的にテキサス州ギガファクトリーで社内製造されるカソード活物質(CAM)を使用することで、従来のニッケルリッチCAM製造と比べてGHG排出量が74%削減されると見込んでいます。この削減は、電力と酸素の使用量が少なく、GHG排出の少ない電力を活用することによって達成されます。

同資料を確認すると、やはり環境への好影響があることが確認できます。

結論

テスラの電気自動車は、非常に環境への負荷を深く考え、環境への影響を極力抑える設計になっていることがテスラ社の資料、「Impact Report」からよくわかります。

テスラの電気自動車やその他電気自動車の環境負荷を批判したい方もいるかもしれませんが、テスラ社の資料を確認した限りの実態としては、エンジンで走る車を設計している会社よりは環境への影響が良く考えられていることがわかります。