Wi-Fiとは
Wi-Fiは、無線でインターネット通信を可能にする技術で、正式名称は「Wireless Fidelity(ワイヤレス・フィデリティ)」です。家庭やオフィスでスマートフォン、パソコン、テレビ、ゲーム機などをインターネットに接続するための中核となる存在です。
インターネット接続の仕組み
- モデム:プロバイダと接続する装置
- ルーター:複数端末に接続を分配
- Wi-Fi機能付きルーター:電波で端末と接続
有線より柔軟に設置でき、複数台の機器と同時接続できるのがWi-Fiの最大のメリットです。
Wi-Fiはあくまで「無線で機器をつなぐ技術」であり、インターネットそのものではありません。インターネットに接続するには、以下のような仕組みが必要です。
プロバイダ(ISP)とは?
プロバイダ(ISP:Internet Service Provider)は、インターネットへの「入り口」を提供する業者です。自宅やオフィスから、世界中のウェブサイトやサービスにアクセスできるのは、プロバイダを経由してインターネット回線がつながっているからです。
代表的なプロバイダの例:
- OCN、So-net、BIGLOBE、楽天ブロードバンドなど(日本国内)
- NURO光、auひかり、ドコモ光などは回線とプロバイダをまとめて提供しているケースも多い
接続の流れ:3つの主要機器
- モデム(またはONU)
自宅に引き込まれたインターネット回線(光回線・CATV・ADSLなど)を、家庭内で使える形に変換する装置です。プロバイダとの通信を可能にする機械でもあります。 - ルーター
モデムからのインターネット接続を、複数の機器(パソコン・スマホ・テレビなど)に分配する装置です。有線でつなぐもの、無線LAN機能付きのものがあります。 - Wi-Fi機能付きルーター(無線LANルーター)
無線通信で端末をネットにつなぐ役割を持ちます。最近の家庭用ルーターの多くはこの機能を備えています。
Wi-Fiの規格と速度の違いを知る:選び方の基準を整理しよう
Wi-Fiにはいくつもの**世代(規格)**があり、それぞれ通信速度、安定性、対応周波数が異なります。規格が新しくなるほど、通信の効率・安定性・同時接続台数に優れていきます。
主なWi-Fi規格と特徴
世代 | 規格名 | 最大速度(理論値) | 対応周波数帯 |
---|---|---|---|
Wi-Fi 5 | IEEE 802.11ac | 3.5Gbps | 5GHz |
Wi-Fi 6 | IEEE 802.11ax | 9.6Gbps | 2.4GHz / 5GHz |
Wi-Fi 6E | IEEE 802.11ax | 9.6Gbps | 2.4 / 5 / 6GHz |
Wi-Fi 7 | IEEE 802.11be | 46Gbps | 2.4 / 5 / 6GHz |
周波数帯ごとの特徴:速さと届きやすさはトレードオフ
Wi-Fi電波は2.4GHz / 5GHz / 6GHzの3つの帯域に分かれています。それぞれにメリット・デメリットがあるため、使用環境に応じて適切に使い分けることが重要です。
2.4GHz帯の特徴
- 電波の届く距離が長い(壁越しでも届きやすい)
- 障害物に強く、屋内向き
- ただし、Bluetoothや電子レンジと干渉しやすく通信が不安定になりがち
- 利用者が多く、混雑しやすい
5GHz帯の特徴
- 通信速度が速く安定している
- 干渉が少ないため、ストレスのない通信が可能
- ただし、壁や床を通しにくく、広い家や鉄筋住宅では届きにくいことも
6GHz帯(Wi-Fi 6E / 7)
- 最新帯域でまだ利用者が少なく、非常に快適
- 超高速・低遅延、AR/VR・クラウドゲーミング向け
- 利用可能エリアが狭い・対応機器がまだ少ないことがデメリット
Wi-Fi規格の選び方ガイド:環境別に最適化しよう
利用環境 | おすすめ規格 | 理由 |
---|---|---|
一人暮らし/動画視聴中心 | Wi-Fi 5 | コスパと速度のバランスが良好 |
家族で複数台接続/在宅勤務 | Wi-Fi 6 | 同時接続でも安定。混雑に強い |
高速・低遅延重視(ゲーマー・配信者) | Wi-Fi 6E / Wi-Fi 7 | 遅延が最小化され快適な通信環境 |
3LDK以上の戸建て/マンション | Wi-Fi 6 + メッシュ対応 | 電波の死角を解消しやすい構成 |