LinuCレベル2 202試験の出題範囲「2.07.2 PAM認証」の解説まとめ

IT資格

LinuCレベル2 202試験の出題範囲「2.07.2 PAM認証」の技術的内容についての解説をまとめました。

重要度3
概要さまざまな方法で認証をサポートするようにPAMを設定できる。これには基本的な SSSD(System Security Services Daemon) の機能を含む。
詳細PAMの設定ファイル、用語、ユーティリティ
 ・/etc/pam.d/, pam.conf, nsswitch.conf, sssd.conf
 ・pam_unix, pam_cracklib, pam_limits, pam_listfile, pam_sss
LinuCレベル2 202試験 出題範囲 | LPI-Japan
仮想環境を含むLinuxのシステム設計・ネットワーク構築において、アーキテクチャに基づいた設計、導入、問題解決ができるエンジニアであることを認定します。試験センターの他に自宅でも受験できます。受験費用は税込16,500円。

PAM認証の概要

PAM(Pluggable Authentication Modules)は、プログラムが使用する様々な認証方式を一元的に管理するためのシステムのことです。

PAM(Pluggable Authentication Modules)は、Linuxのユーザー認証に関する仕組みです。/etc/pam.dディレクトリ配下に設定ファイルが配置されており、設定を変更することで認証の動作を変更することができます。

PAMを理解する - Linux技術者認定 LinuC | LPI-Japan
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PAMの設定ファイル

PAMの設定ファイルは「/etc/pam.d」配下に格納されています。以下はRed Hat Enterprise Linux 9.6で格納されているPAMの設定ファイルは以下です。

[root@RHEL96 ~]#
[root@RHEL96 ~]# ls /etc/pam.d
atd      config-util       gdm-autologin           gdm-pin        passwd         remote          sshd              subscription-manager  systemd-user
chfn     crond             gdm-fingerprint         gdm-smartcard  password-auth  runuser         sssd-shadowutils  sudo                  vlock
chsh     cups              gdm-launch-environment  login          polkit-1       runuser-l       su                sudo-i                vmtoolsd
cockpit  fingerprint-auth  gdm-password            other          postlogin      smartcard-auth  su-l              system-auth           xserver

「/etc/pam.conf」の概要

「/etc/pam.d」配下にPAMの設定ファイルが格納されていない場合は、「/etc/pam.conf」がPAMの設定として動作します。

SSSD(System Security Service Daemon)の概要

SSSDは、認証に関する情報などをキャッシュしておくことで、サーバーの障害時やオフライン時などでもこの情報を使って認証等を行うことができる環境を提供するデーモンです。

System Security Services Daemon (SSSD) は、リモートディレクトリーと認証メカニズムにアクセスするためのシステムサービスです。

第3章 SSSD とその利点について | RHEL での認証と認可の設定 | Red Hat Enterprise Linux | 8 | Red Hat Documentation
第3章 SSSD とその利点について | RHEL での認証と認可の設定 | Red Hat Enterprise Linux | 8 | Red Hat Documentation

SSSDの仕組みは以下です。

3.1. SSSD の仕組み 

System Security Services Daemon (SSSD) サービスを使用すると、リモートディレクトリーと認証メカニズムにアクセスできます。SSSD クライアント であるローカルシステムを、外部のバックエンドシステム (プロバイダー) に接続できます。

SSSD は、次のような複数のアイデンティティーおよび認証プロバイダーをサポートしています。

  • LDAP ディレクトリー
  • Identity Management (IdM) ドメイン
  • Active Directory (AD) ドメイン
  • Kerberos レルム

SSSD は、以下の 2 段階で機能します。

  1. クライアントをリモートプロバイダーに接続し、ID 情報および認証情報を取得します。
  2. 取得した認証情報を使用して、クライアントにユーザーと認証情報のローカルキャッシュを作成します。

ローカルシステムのユーザーは、リモートプロバイダーに保存されているユーザーアカウントを使用して認証できます。

第3章 SSSD とその利点について | RHEL での認証と認可の設定 | Red Hat Enterprise Linux | 8 | Red Hat Documentation
第3章 SSSD とその利点について | RHEL での認証と認可の設定 | Red Hat Enterprise Linux | 8 | Red Hat Documentation

SSSD(System Security Services Daemon)は、LDAPやActiveDirectoryなどのリモートにある認証システムへのアクセスをクライアントシステムに提供する役割も担います。

NSS(Name Service Switch)の概要

NSS(Name Service Switch)は名前解決に使用する順序を指定するためのものです。NSSの設定ファイルは「/etc/nsswitch.conf」です。

「/etc/nsswitch.conf」ファイルは、名前解決を行う優先順位を指定するファイルです。具体的に、/etc/nsswitch.confファイルの設定例を見てみましょう。

hosts: files dns

この設定は、「ホスト名に関する名前解決を行う順が、ローカルにあるファイル→DNSサーバ」ということを表します。具体的には、何らかの名前解決を行う際、まずfilesの指定によりローカルにあるファイル(/etc/hostsなど)が参照され、これに失敗するとdnsの指定により「/etc/resolv.conf」に指定したDNSサーバに問い合わせが行われる、という順になります。

「/etc/nsswitch.conf」ファイル - Linux技術者認定 LinuC | LPI-Japan
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NIS(Network Information Service)の概要

ネットワーク上にある複数のコンピュータの情報(ユーザ、パスワード等)を一元管理するためのシステムのことです。

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